空虚で響かぬバッハ節「我々を頼りにしてください」医療スタッフ提供プランで猛アピール

[ 2021年5月19日 16:40 ]

IOCのバッハ会長(AP)
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 東京五輪の準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)の調整委員会と東京五輪・パラリンピック組織委員会などによる合同会議が、テレビ電話会議形式で19日にスタートした。

 新型コロナウイルスの収束は見通せず、東京五輪への逆風は日を追うごとに強まっている。会議の冒頭、当初はコメントする予定のなかったIOCのトーマス・バッハ会長があいさつ。冒頭部分がメディアに公開されるのはもちろん熟知しており、アピールしたいことがあるための登場だったのは明白だ。

 バッハ会長は「安全第一の五輪、パラリンピックであることは日本国民を安全にすることにほかならない」とし、「これに貢献するために、IOCは組織委員会に対してオファーした。それが追加的な医療スタッフの提供。医学的なオペレーション、厳しくコロナ対策を実行することをサポートするために、そのような追加的なサポートをする」と唐突に明かした。

 選手村や会場に派遣される見込みで、組織委が大会期間中に看護師500人の確保を依頼して国内で猛反発の声があがったことに配慮したものとみられる。バッハ会長は3月にも、希望選手や関係者に対して中国製ワクチンを提供する考えを突然、表明したことがある(5月に米ファイザーからのワクチン提供が決定)。

 約12分30秒に及んだあいさつの中では、余裕の笑みを浮かべながらWHO(世界保健機関)が東京大会のコロナ対策を評価していることや、これまでに実施された430以上のスポーツ国際大会で主催国にウイルスを感染拡大させた例はなかったことを紹介。「安心、安全な大会を開けると確信を持っている」といつものフレーズを繰り出した。

 そして、「最終的にはアスリートが東京で輝くことを願っている。東京大会が可能になるのは、日本のユニークな粘り強さという精神があるから。そして、逆境に耐え抜く能力を持っているからである。この日本の美徳に感謝して、寿ぎたい。開会式の時に全世界がともに祝うことになる。我々を頼りにしてください」と自信を見せていた。

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2021年5月19日のニュース