【玉ノ井親方 視点】貴景勝に自力Vチャンス 自分の相撲に徹し、高安との我慢比べ制した

[ 2021年5月19日 20:50 ]

大相撲夏場所11日目   ○貴景勝(送り出し)高安● ( 2021年5月19日    東京・両国国技館 )

<大相撲夏場所11日目>高安(左)に張られても引かない貴景勝(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

 貴景勝が我慢比べに勝って、自力優勝のチャンスをつかんだ。高安戦。先場所は頭をつけて動きが止まり、耐えきれずに足蹴りにいって墓穴を掘った。

 その反省から、この日は自分の相撲に徹した。相手の動きをしっかり見ながら前に出る。押せずに逆に焦った高安が途中から突然、突っ張り始めると、慌てずに応戦。相手の体を後ろ向きにして、そのまま送り出した。

 高安は立ち合いから突っ張っていれば低い姿勢で押せたかもしれないが、途中から一転して突っ張り始めたため腰高になった。そこを大関に突かれた。先場所とは対照的な内容だった。

 優勝争いを引っ張っていた照ノ富士が敗れたことで、貴景勝との差は1つに縮まった。2人の直接対決が残っているため面白い展開になったが、まだ照ノ富士が優位な立場にいるのは確か。反則負けの妙義龍戦も不運としか言いようがない結果だった。まげをつかんでいたというよりは、指がまげの間に入って抜けなかったのではないか。ただ、これで逆に照ノ富士の闘志に火がついたのは間違いないだろう。この黒星を発奮材料にして、絶対に優勝してやると思っているはずだ。貴景勝と直接対決を含め、終盤戦は見応えのある相撲になりそうだ。 (元大関・栃東)

続きを表示

2021年5月19日のニュース