高谷惣亮 3大会連続五輪!「金メダルを獲って祝福される大会にしたい」

[ 2021年5月8日 05:30 ]

レスリングの東京五輪世界最終予選で1位になり、メダルを掲げる男子フリー86キロ級の高谷惣亮(左)と57キロ級の高橋侑希(日本レスリング協会提供)
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 レスリングの東京五輪世界最終予選第2日は7日、ブルガリア・ソフィアで行われ、男子フリースタイル86キロ級の高谷惣亮(32=ALSOK)は決勝で相手選手が棄権し、1位となった。大会初日に決勝進出を決めて2位までの五輪出場枠を獲得し、日本協会の選考基準により3大会連続の五輪代表に決まっていた。57キロ級の高橋侑希(27=山梨学院大職)も前日に出場枠を獲得し、決勝は相手の途中棄権で優勝。国内のプレーオフで樋口黎(25=ミキハウス)と五輪切符を争う。フリーの日本勢は65キロ級代表の乙黒拓斗(22)と兄で74キロ級の圭祐(24=ともに自衛隊)を合わせ、6階級のうち4階級で五輪出場を決めた。

 決勝進出を決めた高谷惣は両手で顔を覆った。国内大会では恒例の勝利後のパフォーマンスはない。「しようと思ったけど、いろいろな感情が出てきて感極まった」と静かに喜びをかみ締めた。

 ポーランド選手との準決勝は5―0とリードし、終盤に2点を失いながらも最後まで攻め切って7―2。4月の五輪アジア予選では枠獲得まであと1勝ができず「脱力感があった」。帰国後2週間の隔離期間もほとんど練習できなかった。勝利後はその逆境を支えた弟・大地(26=自衛隊)の存在が真っ先に思い浮かんだといい、今大会も練習相手として現地入りした弟に「今回戦えた一番の要因」と感謝した。

 過去2大会の五輪は74キロ級で出場。86キロ級に階級を上げ、一回り大きい相手にも、自身の武器のタックルが通用することを証明した。近年、日本勢が苦戦する中・重量級の「壁を壊します」と宣言するベテランは、五輪開催に風当たりが強いことも覚悟の上だ。「アスリートの信念を持って戦っている。金メダルを獲って祝福される大会にしたい」と誓った。

 ◆高谷 惣亮(たかたに・そうすけ)1989年(平元)4月5日生まれ、京都府京丹後市出身の32歳。網野ジュニア教室でレスリングを始める。京都・網野高―拓大―ALSOK。全日本選手権は11年の74キロ級から79、86、92キロ級にわたって10連覇し、史上初の4階級制覇を達成。14年世界選手権74キロ級銀メダル。12年ロンドン、16年リオ五輪代表。1メートル78。

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