池江璃花子、手応えより悔しい気持ち 本職100Mバタフライで3位「力不足な印象です」

[ 2021年2月21日 05:30 ]

競泳 東京都オープン第1日 ( 2021年2月20日    東京辰巳国際水泳場 )

女子100メートルバタフライ決勝、力泳する池江璃花子
Photo By 代表撮影

 白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が、復帰後5戦目で初出場となる本命種目の女子100メートルバタフライで59秒44で3位に入った。56秒08の日本記録を持つ同種目の実戦は19年1月以来。東京五輪代表選考会となる4月の日本選手権の参加標準記録も突破し、復活の歩みを進めた。男子400メートル個人メドレーで東京五輪代表の瀬戸大也(26=TEAM DAIYA)は4分20秒41で3位だった。

 本命種目バタフライだからこそ、2年1カ月ぶりの感慨よりも悔しさが口をついた。3位で終えた池江は、「こんなにキツかったっけ?ってくらいキツかったし、100メートルバタフライはまだ早かったかなって思った。力不足な印象です」と苦笑いを浮かべた。

 予選は1分0秒06で2位通過。決勝は最後の伸びを欠き2位に0秒09差で競り負けた。「ラスト10メートルで体が動かなくて“ヤバい”と思った。(2位が)見えていたので凄い悔しかったですね」。大会直前までの合宿の疲労は関係ない。勝負したからこそ得られた悔しさだった。

 レース前、電光掲示板に表示された自身の日本記録の56秒08を見て「あれが自分のタイムと思うと考えられない」と話した。だが、西崎勇コーチは復帰直後のバタフライを脳裏に浮かべ「息が上がるような苦しさまでもいかない、腕も回せない状態。(今回の)59秒4っていうのは1年前は想像もできなかった」と評価した。

 復帰後の4大会で50メートル、100メートル自由形も日本選手権の参加標準記録を切った。西崎コーチは出場種目について「本人がバタフライにトライしたいと言えば全力で狙いにいく」と話した。池江は「今日のレースで自信をなくしかけたのが正直な気持ち」と話したが、立ちはだかった壁は飛躍の足掛かりでもある。

 ▽競泳の東京五輪への道 東京五輪代表選考会である日本選手権(4月3~10日)に出場するには参加標準記録を突破する必要がある。個人種目では日本選手権決勝で日本水連が定めた派遣標準記録を突破し、2位以内に入れば五輪代表に内定する。女子100メートルバタフライの派遣標準は57秒10。400メートルメドレーリレーは個人種目の突破者がいない場合、バタフライで57秒92が派遣記録となる。女子100メートル自由形の派遣標準は53秒31。400メートルリレーは100メートル自由形の上位4人合計で3分37秒68を突破すれば当該選手が選出され、該当しない場合は54秒42の派遣標準で選ばれる。

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2021年2月21日のニュース