大坂なおみ 全豪OP初戦快勝!有観客が後押し、2年ぶり2度目の優勝へ好発進

[ 2021年2月9日 05:30 ]

テニス全豪オープン第1日   女子シングルス1回戦 ( 2021年2月8日    メルボルン )

大坂なおみ(AP)
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 今季4大大会初戦として3週間遅れで開幕し、女子シングルス1回戦で世界ランキング3位の第3シード、大坂なおみ(23=日清食品)は同39位のアナスタシア・パブリュチェンコワ(29=ロシア)に6―1、6―2で快勝した。6年連続の2回戦進出で、2年ぶり2度目の優勝へ好発進。2回戦は同43位のカロリーヌ・ガルシア(27=フランス)と対戦する。優勝賞金は275万豪ドル(約2億2300万円)。

 コート上での勝利インタビュー。1時間8分で快勝した大坂はファンへの感謝を口にした。昨年に続き、開幕日のセンターコートでの第1試合。2年ぶりの優勝へ向けて好発進し「緊張したけど、勝てて幸せ。皆さん来てくれてありがとう」と呼び掛けた。4大大会3勝目を挙げた昨夏の全米オープンは無観客。今大会は最大3万人まで観客が入るため「お客さんがいてうれしい。全豪はミスした時などに声が上がる感じで、ファンの反応が楽しい」と実感を込めた。

 パブリュチェンコワとの対戦はストレート勝ちした19年9月の東レ・パンパシフィックオープン決勝以来。ツアー12勝を誇る実力者を圧倒した。得意のハードコートで躍動し、相手サービスゲームを5度もブレーク。強烈なサーブやフォアが最大の武器だが、この日は深く鋭いリターンが光った。リターン成功率は82%を記録し、凡ミスは相手の21回を大幅に下回る11回。ストローク戦を有利に進め「リターンが良かった。オフに努力してきたことが徐々に良くなっている」と手応えを口にした。

 無観客の全米で発見があった。「寂しかったけど、ある意味テニスに集中できた」。それまで注目度の高い試合では魅せるプレーを意識しすぎていたことに気付き「格好いいところを見せたくて時々ベストではないプレーをしていた」と反省した。その上で「それでも観客は私に力をくれる」と実感。観客との向き合い方を整理して今季4大大会初戦を迎えたことも、高いパフォーマンスを発揮できた一因だった。

 4大大会の決勝と1回戦の前夜はいつも緊張で眠れないことを明かし「1回戦では絶対に負けたくなかった」と強調。昨年の全米前哨戦から続く連勝は2試合の棄権を挟み15に伸びた。大声援の後押しを力に変え、2年ぶりの頂点へ突き進む。

 ≪4大大会のコロナとの闘い≫昨年の4大大会はコロナ禍で、大きな影響を受けた。5月29日に開幕予定だった全仏は9月27日開幕に延期され、6月29日開幕予定だったウィンブルドン選手権は中止。ツアー再開後の初の4大大会となった全米オープンは8月31日から開催されたが、無観客を余儀なくされた。延期となった全仏は7月時点で1日最大2万人の観客を入れると発表したが、感染再拡大を受けて開幕直前に最大1000人に削減された。

 今回の全豪に出場する選手はチャーター機でオーストラリア入り。入国後2週間は隔離され、屋外練習は最大5時間のみ許可された。一方で陽性者が出た便の同乗者(選手70人以上)は2週間ホテルから一歩も出られない完全隔離。公平性を欠く中、1日最大3万人の観客を入れることを実現した。

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