【玉ノ井親方 視点】正代らしい一番 相手の力を吸収しながら自分の形に 次第にペースつかんできた

[ 2021年1月19日 05:30 ]

大相撲初場所9日目 ( 2021年1月18日    両国国技館 )

正代(左)は玉鷲に顔をわしづかみにされる(撮影・篠原 岳夫)
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 徐々に正代のエンジンがかかってきた。平幕とはいえ、玉鷲は優勝経験のある実力者。立ち合いで当たった後に喉輪で押し込まれたが、動きをよく見て左に回り込み、体勢を入れ替え、逆に押し出した。相手の圧力を吸収しながら自分の形に持ち込む、正代らしい一番だった。

 全勝の大栄翔が敗れ、差は1つになった。休場明けで前半は勝負勘を取り戻しながらの取り口だったが、次第にペースをつかんできたようだ。悪いなりに勝ち星を重ねているところは実力がついてきた証。ただ優勝争いはそう簡単ではない。これからは上位との星のつぶし合いになる。結果を意識せず自分の立ち合いの当たりに集中することが大事だ。

 一方、大栄翔は足が前に出ていなかった。勝ち続けると自分で思っている以上に疲れがたまるものだ。優勝争いも意識し始めたのかもしれない。ここからは気力勝負になる。(元大関・栃東)

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