テニス全豪OP混乱拡大 チャーター機から陽性新たに4人 錦織ら72選手が外出禁止

[ 2021年1月19日 05:30 ]

メルボルンのホテルで14日間の完全隔離を強いられたため、部屋の中で窓ガラスに向かって練習をするスイスのベンチッチ(本人インスタグラムから)

 テニスの全豪オープン(2月8日開幕)に向けて現地入りした選手や関係者に新型コロナウイルス陽性者が続いている問題で混乱が拡大してきた。18日に新たに選手1人を含む4人の陽性が判明し、全豪関係者の陽性者が9人となる中、厳しい隔離措置で練習できない選手が不満を訴える一方でオーストラリア国民も反発。東京五輪を控える日本も人ごとではない状況だ。

 半年後の東京を予感させる混乱ぶりだ。4大大会初戦のために世界各地からチャーター機で開催地メルボルン入りした選手や関係者は搭乗前に検査で陰性と判定されたが、3便の機内検査でこれまでに9人の陽性が判明。機内にいた72選手は陰性でも2週間の自主隔離中にホテルの部屋から一切の外出を許されずに部屋の中で調整するしかない。陽性者のいなかった他機の選手は隔離期間中も5時間までの屋外練習や外出が許されるとあって、「不公平」の訴えが止まらない。

 錦織圭(日清食品)同様に外出規制の対象となったダニエル太郎(エイブル)は予選が行われたドーハからのチャーター便に感染者が出たことを明かした上で「部屋でできるだけのことをするしかない」と前向きにツイートしたが、海外勢からは「同乗者が陽性で外出禁止になるとは聞いていなかった」「知っていれば参加しなかった」など不満が噴出。男子世界1位のジョコビッチ(セルビア)は可能な限りの選手をテニスコート付き一軒家に移すことなど要望したが、メルボルンを含むビクトリア州のダニエル・アンドリュース首相は「特例はない。ウイルスが(選手を)特別扱いしないのだから我々もしない」と一蹴した。

 背景にあるのがオーストラリアの厳しい入国制限。これまで感染者2万2000人、死者909人に抑え込んできた同国は国外に滞在する自国民の帰国にも厳しい制限を加え、現在も4万人が足止め中という。その中で1200人に上るテニス関係者が入国する全豪オープンへの批判や反発が今回の騒動で一気に拡大。ツイッターで「パンデミック中のオーストラリアに来たければスポーツや映画のスター、大金持ちのメディア王になるしかない。市民権やパスポートでは足りない」と皮肉る国民の声もある。

 南半球で夏本番のオーストラリアは18日に判明した新規感染者が全豪関係者以外はゼロだった。夏場の東京五輪開催時も国内の新規感染者は封じ込めが進んでいる可能性はあるが、全豪はテニス1競技のみ。1万1000人に及ぶ選手や6、7000人と見積もられるスタッフが33競技を支える東京五輪で陽性者続出や厳しい制限が続けば、選手側と国民の不満は負の相乗効果で大きく膨れ上がることは想像に難くない。

 ○…室内待機を強いられている状況で工夫を凝らした練習をする選手もいる。クエバス(ウルグアイ)は立てかけたベッドマット、女子のベンチッチ(スイス)は壁一面の窓に向かってボールを打つ動画をSNSで発信した。一方で部屋から抜け出そうとしたした選手もいたようで、地元当局の担当者は「全ての違反を深刻に受け止めている」と発言。2万ドル(約208万円)の罰金が科される可能性を示し、違反を繰り返した場合は警官が部屋の前で警備する他のホテルに移動させることも検討するという。

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