一二三 24分“決戦”から一夜、詩と兄妹金へ決意「五輪で圧倒的に勝つ」

[ 2020年12月15日 05:30 ]

激戦から一夜明け、オンライン会見に臨んだ阿部一二三(パーク24提供)
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 日本柔道界史上初のワンマッチ五輪代表決定戦を制し、晴れて東京五輪男子66キロ級代表に内定した阿部一二三(23=パーク24)が、決戦から一夜明けた14日、オンライン会見に臨んだ。丸山城志郎(27=ミキハウス)との24分間に及んだ激闘を振り返り、女子52キロ級の妹・詩(20=日体大)とともに臨む220日後の「きょうだい金メダル」へ向け、今後は対海外勢対策にシフトする考えを示した。

 前日の激闘後はテレビ出演をこなし、「アドレナリンが出て寝付けなかった」という阿部。ようやく眠りについたのは明け方4時すぎだったというが、五輪代表に内定し、表情はスッキリ晴れていた。「やっとスタートラインに立てたので、少しホッとしている」。試合直後と同じ言葉を発し、ここが出発点であることを強調した。

 前例のない24分ちょうどの大熱戦。改めて「凄く濃かった。最後まで集中を切らさず、自分の柔道を貫けた。そこが一番の勝因」と振り返った。延長戦に入って2度治療で畳を離れたが、「最後まで集中してやりきると、自分の中で言い聞かせていた」。まさに“全集中”の境地で、「一二三」の全てが入った12・13決戦を制した。

 初対戦から5年、特に最近2年はし烈な代表争いを繰り広げた丸山に対しては、「丸山選手がいなければ、ここまで強くなっていない」と感謝した。そしてもう一人、負けられない相手が妹の詩。2月に早々と代表に内定した妹に、自分が落選しては顔向けできない。「丸山選手もそうだが、妹にも絶対負けられない気持ちだった」と発奮材料にしてきたことを明かした。

 つかの間の休息を挟み、今後は五輪モードに入る。この数カ月はたった一人の相手、たった一試合のために準備してきたが、本番での相手は外国勢で、1日で5、6試合をこなす。「いろんなタイプの選手がいるので想定したい。どんな相手でも投げきる。五輪で圧倒的に勝つために、どうしていくべきか考えたい」と言及。丸山を破った大内刈りなど、足技の強化にも着手し、今年2月から遠ざかっている国際試合出場にも意欲を示した。

 2020年を「成長できた」一年として、今年の漢字に選んだのは「成」。2021年も成長のペースを上げ、金色のメダルを首に掛ける。

 ▽東京五輪男子66キロ級代表決定戦VTR 東京都文京区の総本山・講道館大道場で13日午後4時44分に開始。丸山が白、阿部が青の柔道着を着用した。序盤は阿部が積極的に前に出るも、延長1分50秒で丸山を指導2で追い込む。その後はスタミナが強みの丸山が攻勢に出て、延長11分57秒、阿部も偽装攻撃で指導2で追い込まれる。試合はさらに10分以上も続き、阿部の鼻血治療から再開した後の延長20分、阿部が前に出ながら大内刈り。丸山も小外刈りで返しにいったが、決めまで丁寧に行った阿部の技が上回り、技ありを取って決着した。

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