記者が語る五郎丸という男 原動力はいつも“ラグビーの未来”

[ 2020年12月10日 05:30 ]

ラグビー15年W杯代表、五郎丸歩 TL新シーズン限りで引退

<ラグビーW杯2015 日本・南アフリカ>後半28分、自身W杯初トライを決めフィフティーンに祝福されるFB五郎丸歩(左)
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 昨年のW杯のアイルランド戦前、浜松市内の五郎丸の行きつけという飲食店を訪れた。大会ではNHKでナビゲーターを務めており、五郎丸は同席していた多くの局員との会話に没頭している様子だった。数分後、背中を向けていた本人が私の存在に気づいたが、一瞥(いちべつ)をくれただけで再び会話に没頭。後日、一緒に訪れた知人から「ラグビーの魅力、だいご味を語り、もっとテレビで取り上げてほしいと熱弁していたらしい」と聞いた。軽い気持ちで杯を交わそう…などとたくらんだ自分が心底恥ずかしく、申し訳なくなった。

 一見クールでとっつきにくいイメージの五郎丸だが、ラグビーに対しては本当に真摯(しんし)でピュア。15年W杯後のフィーバー中も自分だけにスポットが当たることを嫌い、イベント時には以前からラグビー取材をしている記者だけに対応を限定することもあった。ただただラグビー、スポーツ、そして次世代を担う子供たちのために貢献したい。その思いでラストシーズンを完走したら、少し気を緩めて大好きな釣りと最近始めたというゴルフを楽しんでほしい。(13年~ラグビー担当・阿部 令)

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2020年12月10日のニュース