エディー・ジョーンズ前日本代表HC 教え子の五郎丸称賛「見たことがない成長」

[ 2020年12月10日 06:30 ]

エディー・ジョーンズ氏
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 15年W杯までの4年間、日本代表のヘッドコーチ(HC)として五郎丸を日本代表のFBとして起用し続けたエディー・ジョーンズ氏(60=イングランド代表HC)と、早大、ヤマハ発動機で監督として指導した清宮克幸氏(53=日本ラグビー協会副会長)の恩師2人が、メッセージを寄せた。今季開幕前に引退を発表した教え子にジョーンズ氏は称賛を、清宮氏は辛口のエールを送った。

 現在、イングランド代表を率いるジョーンズ氏がスポニチの取材に応じ、五郎丸について語った。「五郎丸ほど成長した選手を今まで見たことがありません。彼が副将になってからは目覚ましい成長を遂げ、W杯を迎える時には自己主張ができるようになり、自ら考える力を身に付け、チームの手本となる選手になっていました」と称えた。

 05年に初キャップを獲得しながら、W杯代表を2大会連続で逃していた五郎丸をHC就任直後から招集。一貫して15番で起用したが、当初から評価が高かったわけではない。サントリー監督時代は、プレー間にスピードを緩める対戦相手の五郎丸を「怠惰な選手」と低評価。一方で潜在能力を高く買い、代表記録を打ち立てるほどのキッカーに育てた。

 「ジャパンウエー」と呼ばれる世界一の運動量を要求されるラグビースタイルを築いたジョーンズ氏が、戦術や技術以上に大切にしたのが選手の自主性だった。W杯前の宮崎合宿では、指揮官と感情的な軋轢(あつれき)が発生したチームのリーダーグループの一人として、リーチ主将らとともに自主性を醸成。その結果が南ア戦の3点を追う終了間際、ペナルティーで指示を無視してスクラムを選択する勇敢な決断へとつながった。

 「最初のころは内気な感じでしたが、チームの成長ぶりを体現する選手になったと思います。それは、世界を相手に勝とうという意思を持ったということです。勇敢で、自主性を持ち、自己主張できる選手です」

 W杯期間中にはレッズへの移籍話を紹介するなど、五郎丸の成長を促し続けたジョーンズ氏。4年間を懐かしむように、その成長ぶりを称えた。

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