IOCバッハ会長 東京五輪の無観客開催に否定的「海外からの観客前提」

[ 2020年10月9日 05:30 ]

IOCの理事会後、記者会見するバッハ会長(IOC提供・共同)
Photo By 共同

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は7日、オンライン形式で開いた理事会後、新型コロナウイルスの影響で来夏に延期となった東京五輪について「海外からの観客がいることを前提に動いている」と明かした。欧州などで感染の第2波が発生していることを認めつつ、ワクチンの開発や短時間で結果が判明する検査方法に楽観的な見方を示し、「安全な五輪開催に自信を持っている」と強調した。

 無観客開催には否定的な考えを示しながらも、「会場を満員にできるか、他の方法を取るべきかは分からない」と観客数制限の可能性も示唆。ロイター通信は、観客数は種目ごとに検討される可能性が高いと報じ、関係者の「重要なのはテレビ放映権料。観客数はそれほど問題ではない」との談話を紹介した。一方、選手のように来日後の行動を制限するのは難しいため、政府や大会組織委員会は海外からの観客受け入れを慎重に判断するとみられ、結論は年明けになるとの見方も出ている。

 また、バッハ会長は簡素化により約300億円の経費削減が見込まれるとの組織委の報告を「ポストコロナの世界に五輪が対応するものだ」と高く評価。経費削減につながる開会式の演出変更にも理解を示したが、「選手の体験に手を加えることはない」と入場行進の実施は明言した。

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2020年10月9日のニュース