翔猿 首位対決で若隆景ひらり!106年ぶり新入幕V期待も「あと3連勝ぐらいしたら考えます」

[ 2020年9月25日 05:30 ]

大相撲秋場所12日目 ( 2020年9月24日    両国国技館 )

<大相撲秋場所12日目>土俵際で若隆景(手前)をはたき込む翔猿(撮影・西海健太郎)
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 新入幕の翔猿が優勝争いのサバイバル戦を制した。2日連続の2敗対決となった若隆景戦でタイミングのいいはたき込みを決め、10勝目を挙げた。新入幕力士が12日目終了時でトップに並んでいるのは07年秋場所の豪栄道(10勝2敗)以来となった。大関・貴景勝は小結・遠藤の休場で不戦勝、関脇・正代は宝富士を圧倒し、ともに2敗を守った。3敗は大関・朝乃山ら3人となった。

 トップが2敗となった中日から、脱落するのはほとんどが直接対決という熾烈(しれつ)な優勝争いで、新入幕の翔猿が生き残った。2桁勝利に乗せて呼ばれたインタビュールームで優勝争いについて聞かれると「あと3連勝ぐらいしたら考えます」と答えた。3連勝なら最低でも優勝決定戦進出。それぐらい賜杯は意識していない。

 十両で5度対戦(3勝2敗)していた若隆景との2敗対決。相手が立ち合いで左に動いても、「頭にあった」としっかり対応した。喉輪を振りほどいて突き返し、最後は得意のはたき込み。「すぐに引かないで攻められたのがよかった」。攻めの姿勢が勝利を呼び込んだ。

 師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)は愛弟子の活躍を「出来過ぎ。今は10ある力が15くらい出ている」と捉えながらも「今までは立ち合いで変わったり跳んだりしていたが、今は当たってから動くようになったのがいいのかな」と好調の要因を分析した。

 元々は準備運動をするタイプではなかったという。師匠から口うるさく言われたのに加え、関取になって参加した巡業で、白鵬が入念に準備運動するのを見て触発された。「強い人はみんな基礎をやっている」。今では7人いる部屋の関取で最も早く稽古場に下りて汗を流す。地道な努力で速い相撲にパワーが加わった。

 13日目は隆の勝との対戦で、初めて幕内後半戦の土俵に立つ。「初日は緊張したけど、今はない。ワクワクの方が大きい」と楽しみながら相撲が取れているのも大きい。1914年(大3)夏場所の両国しかいない新入幕優勝が、日ごとに現実味を帯びてきている。

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