翔猿 豪栄以来13年ぶり進撃!新入幕10日目首位“挑戦者魂”で給金

[ 2020年9月23日 05:30 ]

大相撲秋場所10日目 ( 2020年9月22日    両国国技館 )

<秋場所10日目>竜電(右)を下手投げで破る翔猿(撮影・郡司 修)
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 新入幕の翔猿がトップを守った。竜電の懐に入って左からの下手投げで勝利。ここまで積極的に動き回り白星を重ね、全て異なる決まり手で勝ち越しを決めた。新入幕力士が10日目を終えてトップに並んでいるのは07年秋場所の豪栄道(9勝1敗)以来13年ぶり。連覇を狙う平幕・照ノ富士が3敗目を喫し、6人いた2敗力士は大関・貴景勝、関脇・正代、平幕の若隆景、阿武咲、翔猿の5人となった。

 名は体を表す。翔猿はしこ名にある猿のように動き回り勝ち越しを決めた。「幕内で力が通じているので、勝ち越せてうれしい」と充実感がのぞく。現在は十両の兄・英乃海に続き、史上11組目の兄弟幕内。兄は過去6度の幕内は全て負け越していたが、弟は1場所目で給金を直した。

 日大を経て15年初場所で初土俵を踏んだ。序ノ口から先場所までの決まり手で、最も多いのははたき込みだった。1メートル75、131キロと関取では小兵な部類に入るだけに、自分より大きな相手に引き技も多用して戦ってきた。だが、新入幕になって意識が変わった。「十両の上にいるときは下に負けられないというのがあった。今は全然違う。いつでもチャレンジャー。思い切り前に出ることだけを考えている」。その結果が、極めてまれな全てが違う決まり手での勝ち越しとなった。

 思い切り相撲を取ることに集中しているからこそ、給金相撲でも緊張はせず「いつも通りに取れた」という。6日目からトップに並んでいても「そこは意識していない」と優勝争いも眼中にない。ただ、場所前から2桁勝利を挙げての三賞受賞を目標にしていただけに、そこは譲れない。「勝ち越しただけ。まだまだ集中して暴れていきたい」と気持ちは切り替わっている。

 コロナ禍の中、医療従事者への感謝の気持ちを込めた青の締め込みをつけている。「こういう時だから皆さんを元気づける相撲を取っていきたい」。終盤戦も猿のように舞い、蜂のように刺す相撲で土俵を沸かせる。 

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