東京五輪の夢破れても圧巻V 朝比奈沙羅 人生の金メダルへ再スタート

[ 2020年2月24日 08:55 ]

柔道グランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会最終日 ( 2020年2月23日    ドイツ・デュッセルドルフ )

女子78キロ超級で優勝し、金メダルを手に笑顔の朝比奈沙羅
Photo By 共同

 男女計5階級が行われ、女子78キロ超級で朝比奈沙羅(23=パーク24)が5試合オール一本勝ちで優勝した。大会は日本選手団にとっての東京五輪代表選考会の一つとして行われたが、同階級は昨年11月に素根輝(19=環太平洋大)の五輪代表が内定済み。すでに東京五輪への道が断たれている朝比奈が、18年世界女王の矜持(きょうじ)を示した。

 ここ数年、畳の上でプレッシャーに押しつぶされているかのように力を発揮できていなかった朝比奈が、圧巻のパフォーマンスを見せた。12年ロンドン金を含む五輪3大会連続メダルのオルティス(キューバ)との準決勝。連戦続きとはいえ動きの思い相手を一方的に攻めて指導2で追い込むと、隅落としで技ありを奪い、そのまま抑え込んで合わせ技一本。決勝はポイントこそ奪えなかったが、指導3で反則勝ちし、その強さを証明した。

 「五輪代表になれずに腐るのではなく、ここから本当に自分の真価が問われる。自分自身の価値を上げられるような試合が思って臨んだので、結果としていい形で残せて良かった」

 素根と一騎打ちだった五輪代表争いは、18年4月の全日本選抜体重別選手権での初黒星から5連敗。昨年11月のGS大阪大会は、直接対決で破ることがライバルの代表内定を止める最善の手段だったが、戦わずして敗れ、失意のどん底を味わった。大会前には今年4月に入学する独協医大のAO入試に合格。柔道の第一線から退く選択肢もあったが、「補欠になったりとか、(不測の事態で)1%でも自分が出られる可能性があれば、手を抜かずにやると(女子日本代表監督の)増地先生にも伝えた」。人生をささげてきた夢舞台が、諦めきれない気持ちも吐露した。

 今後は4月の全日本女子選手権(横浜)に出場するものの、その後の競技生活は未定だ。五輪代表の補欠も同時期に決まるが、大学での授業も始まるため、たとえ補欠であっても柔道との両立は簡単ではない。「モチベーションをどう維持していくかが非常に難しい。ただその中でもやるべきことをやった。私が見た中でも、18年に世界女王になった時以上のパフォーマンスだった」と称えた増地監督も、「相談しながら準備をさせたい」と話した。
 尊敬するオルティスに声を掛けられ泣き、ミックスゾーンでもさまざまな思いが去来し、涙をこらえることができなかった朝比奈。「やっぱり自分の人生。自分で100点満点を上げられるような人生にできるように頑張ります」。人生の金メダル獲得へ、その歩みを止めることはない。

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