【岡崎真の目】羽生ゆえ高次元のミス 的確な状況判断光った

[ 2020年2月10日 07:45 ]

フィギュアスケート四大陸選手権最終日 ( 2020年2月9日    韓国・ソウル )

男子フリー、演技をする羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 羽生の演技はいくつかミスはあったものの、今までの「SEIMEI」と比べ、終始エネルギーを感じさせる内容だった。ゆったりとした音の中にも力強さがあり、ジャンプも落ち着いて跳んでいた。

 冒頭の4回転ルッツは高さも流れもあった。ただ、体が少し前傾していた。私の想像だが、恐らく前傾したままだと着氷時に前に詰まってしまうと考えたのではないか。着氷時に前に体重が乗ると爪先が引っかかってしまう。そこで少し後ろに重心を下げようとしたところ、今度はかかとに乗りすぎてしまい、体が左に開いて大きくステップアウトしてしまったように見えた。そのままでも降りられたにもかかわらず、降りた後の流れをより引き出すために、とっさに微妙なさじ加減をしたがゆえの失敗で、まさに羽生ならではの高いレベルのミスだったに違いない。

 その後は冒頭の失敗を引きずることなく、前半は順調にこなした。後半のトーループの連続ジャンプは最初の4回転で少し詰まってしまい、このまま跳んだらきちんと降りられないと瞬時に判断し、とっさに1オイラーを挟んで3連続に変更したのだろう。的確に状況判断をし、変えられるのはさすがだ。

 次の4回転トーループでも連続ジャンプを狙ったのだろう。結果的に転倒してしまったこともあり、演技点もあまり伸びなかった。ただし、攻めた結果の失敗であり、しっかり挽回もしているので、3月の世界選手権へ向けて心配はいらないだろう。スーパースラムの称号はジュニア時代からずっとトップであり続けたことの証明。胸を張って世界王座奪還に挑んでほしい。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「NBA」特集記事

2020年2月10日のニュース