データで見る八村の第28戦 ダブルダブルの裏側にある空白の402分間
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グリズリーズに競り負けたものの、ウィザーズの八村塁(22)は復帰3戦目となったグリズリーズ戦で25分出場して12得点と11リバウンドをマーク。今季3度目のダブルダブルを達成した。
しかしドラフト全体2番目で指名されたグリズリーズのガード、ジャー・モラント(20)は35分の出場で27得点、10リバウンド、10アシストを稼ぎ、デビューから47試合目で初のトリプルダブルを達成してしまった。勝負どころの第4Qでは八村が無得点に終わったのに対して、モラントは10得点。チームの3点シュート成功が32本中5本と低調だった中で勝利をもぎとったのは間違いなくモラントの活躍があったからだ。
八村のダブルダブルとモラントのトリプルダブルを比較することはしない。お互いにチームの中での“立ち位置”が違うし、ルーキーとして健闘しているのはどちらも同じだ。ただしこの試合で八村がスタッツ(個人成績)に数字を書き込まなかった部分にモラントが「1」を記していたことだけは頭に入れておきたい。
それがブロックショット。203センチの八村は「0」だったが、191センチのモラントは第2Q1分3秒、198センチのトロイ・ブラウンJR(20)がゴール下で試みたシュートを右手ではたき落としている。ガードゆえに1試合の平均ブロックショットは0・3と少ないが、実はフォワードで時としてスモールラインアップの中でセンター役を務める八村はさらに少ない0・1。今季出場28試合でわずか3回しか記録しておらず(被ブロックショットは34回)、11月27日のサンズ戦で2回マークしたあとは12試合連続で「0」。出場時間帯に限ると通算402分間にわたって相手のシュートをはたき落としておらず、まさに長い“トンネル”に入った状態が続いている。
八村はショットブロッカーではない。ゴンザガ大時代の昨季、37試合に出場してブロックショットは27回だった。チームメートでグリズリーズに入団したブランドン・クラーク(23=ドラフト全体23番目指名)がこの役目を担っていて、同じ37試合で117回(平均3・2)のブロックショットを決めていた。
そのクラークでさえNBAではプレータイムの兼ね合い(21・8分)もあって0・8にダウンしているので、八村の0・1をどう判断するのかは難しいところがあるが、それでもフロントコート陣として12試合連続の「0」は、ダブルダブルと比べると少しさびしい部分でもある。
原因はいくつかあると思う。マッチアップしている選手が自分の身長(203センチ)より高いケースが多いだろうし、序盤でのファウルトラブルを避けるためにディフェンスで慎重にならざるをえない部分もある。
八村は相手選手がシュート体勢に入ったときのチェック(コンテスト)は間断なく続けている。ここは高く評価したいところ。ただしクラークのブロックショットへのプロセスと比べるとひとつだけ違う部分がある。
それはジャンプする直前に膝を曲げ、両手を下げて反動をつけて高く跳ぼうとする比較的大きなモーションである。高くは跳べるが「踵(かかと)」が接地しているので“ブロック地点”まで到達するのにほんのわずかだけ時間がかかっている。これに対してクラークのブロックショットは、つま先だけの“離陸”でしかも最初から左右どちらかの手を上げた状態でジャンプしているケースが多々見られる。“クセ”なのか意図的なものかはわからないが、このコンマ何秒かの差がNBAでのブロックショット部門に数字を書き込めない理由となっているような気がしてならない。
ネガティブな問題だとは思わない。ここはウィザーズの8番にとって3点シュート以上に“伸びしろ”を残した部分だと思う。ウィザーズの1試合における平均ブロックショットは4・4でこれはリーグ30チーム中の23位。1位のレイカーズ(6・9)には2・5回も水を開けられている。しかし「0・1」のルーキーが数字を挙げていけばその差は一気に詰まり、それはおそらくチームの成績にいい影響を与えていくだろう。
今季のブロックショット部門で1位に立っているのはオフにヒートからトレイルブレイザーズに移籍したセンターのハッサン・ホワイトサイド(30=213センチ)で3・1。彼1人でウィザーズ全体の7割をカバーしている。11月29日のブルズ戦ではなんと15リバウンド&10ブロックショットでダブルダブル(得点は8)。ホワイトサイドだけでなく両手の動きがスムーズな選手は数多くいるだけに、そこはぜひとも“良き先輩”の技術を盗んでほしいと思う。(高柳 昌弥)
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