17歳ザギトワ引退 15歳平昌金から2年…16歳コストルナヤら年下の台頭で決断

[ 2019年12月15日 05:30 ]

18年、平昌五輪フィギュアスケートの女子フリーの演技を終えガッツポーズするザギトワ
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 フィギュアスケート女子で18年平昌五輪金メダルのアリーナ・ザギトワ(17=ロシア)が13日、同国の政府系テレビ「第1チャンネル」の番組で競技活動の休止を表明した。司会者に「モチベーションがなくなったのか」と問われ「私は五輪や世界選手権で勝った。人生における全てのものを手にした」と発言。事実上の引退宣言と受け取られている。今月下旬のロシア選手権を欠場するが、今後も練習は続けアイスショーには出演する。

 ザギトワは15歳で出場した平昌五輪で、世界選手権2連覇中だったエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)との激戦を制し、五輪史上2番目の若さで頂点に立った。今年3月の世界選手権では初優勝したが、五輪後に身長が7センチも伸びたことで成長痛に悩まされた。今月上旬のグランプリ(GP)ファイナルでは最下位の6位だった。同じロシア勢で16歳のアリョーナ・コストルナヤが3回転半、ともに15歳のアンナ・シェルバコワとアレクサンドラ・トルソワが4回転の高難度ジャンプを武器に躍進。ロシア国内のインターネット上では「ザギトワの時代は終わった」との書き込みも出ていた。ザギトワも「ロシアのスケート界は若年化が進んでいる」と、年下の台頭が決断の背景にあることを示唆した。

 15歳で頂点に立った平昌五輪後には以前から気に入っていたという秋田犬が秋田犬保存会から贈呈された。勝利の意味を込め「マサル(勝る)」と名付け、式典には安倍晋三首相が立ち会うなど、日本人からも大きな注目を集めた。現在は大学入学に向け、勉強を始めており「今後はスポーツ大学に進学し、コーチを目指すことになる」と語った。「ロシアの沢尻エリカ」とも呼ばれ、日本でも注目度が高かった銀盤の女王がまだ17歳にもかかわらず、競技生活に別れを告げた。

 ◆アリーナ・ザギトワ 2002年5月18日生まれ、ロシア・イジェフスク出身の17歳。アイスホッケーのコーチをしていた父の影響で5歳からスケートを始める。アリーナの名前は04年アテネ五輪の新体操金メダリスト、アリーナ・カバエワに由来。18年平昌五輪フィギュアスケート女子金メダル。昨年5月に秋田犬保存会から「マサル」が贈られた。好きな食べ物は日本食。1メートル60。

 【無敗のまま頂点へ】☆18年平昌五輪 2月23日のフィギュアスケート女子フリーでショートプログラム(SP)1位のザギトワは、2位のエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)と同スコアの156・65点をマーク。合計239・57点としてSPのリードを守りきり金メダルを獲得。シニアデビューしたシーズンで無敗のまま世界の頂点に立った。

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