50キロ競歩・川野、日本新Vで東京五輪切符!"運動神経ゼロ少年"が快挙

[ 2019年10月28日 05:30 ]

<男子50キロ競歩>ガッツポーズでゴールする川野将虎
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 陸上の全日本50キロ競歩高畠大会は27日、山形・高畠まほろば競歩コースで、20年東京五輪代表選考会を兼ねて行われ、川野将虎(21=東洋大)が従来の日本記録を2分22秒更新する3時間36分45秒の日本新記録で優勝した。今季世界最高で、日本陸連が設定した派遣設定記録(3時間45分0秒)を満たし、東京五輪代表に決まった。同種目の代表はドーハ世界選手権で優勝した鈴木雄介(31=富士通)に続く2人目となった。

 大学生の規格を超えたビッグウオーカーが誕生した。日本記録を大幅に塗り替える好タイムをマークして文句なしで五輪代表に内定。「ここで決めるという強い気持ちだった。本当にうれしい」。普段は冷静な男が何度もガッツポーズを決め、感情を爆発させた。

 “運動神経ゼロ”だった少年が五輪代表にまで上り詰めた。「足も遅くて、徒競走もビリから2番目。マイペースで小さいころは大丈夫かなという感じだった」と父・公明さん(53)は言う。小学校では父の影響で柔道を始めたが公式戦は0勝。中学は卓球部と駅伝部を兼部。卓球は「2回戦ボーイ」だったが長距離を経験したことで陸上に興味が湧いた。

 御殿場南高では陸上部の顧問に勧められて出た静岡県東部大会男子5000メートル競歩で最下位に終わり「二度とやらない」と思ったという。ただ、失格者が出たことで運良く県大会に出場。自己ベストをマークしたことで「少し面白いかなと思うようになった」と、そこから加速度的に実力を上げていった。

 成長の裏には大学の同期でドーハ世界選手権20キロ競歩代表の池田向希(21=東洋大)の存在もあった。池田が世界の舞台で活躍する姿に「置いていかれた」と焦ることもあったが、「自分は自分」と言い聞かせて地道な練習に打ち込んだ。池田は世界選手権で五輪内定をつかむことができなかったが「2人で東京五輪」という約束に川野がまずは結果で応えた。「見ている人を感動させるレースをしたい」と川野。輝く場所を見つけた男が世界を相手に大金星を狙いにいく。

 ◆川野 将虎(かわの・まさとら)1998年(平10)10月23日生まれ、宮崎県日向市出身の21歳。2歳時に静岡県駿東郡小山町に引っ越し、須走中では卓球部に所属。静岡・御殿場南高で競歩を始めインターハイでは2年連続表彰台。今年3月の全日本競歩能美大会で2位に入った。尊敬する選手は15年北京世界選手権で銅メダルを獲得した谷井孝行氏。1メートル78、62キロ。

 ▽競歩の今後の代表選考 男子50キロ競歩は五輪代表3枠のうち、2枠が決定。来年4月の日本選手権で最後の代表が決まる。リオデジャネイロ五輪銅メダリストの荒井広宙(31=富士通)が出場する予定。また、今回2位の丸尾、3位だった17年ロンドン世界選手権銅メダルの小林快(26=新潟アルビレックスRC)の参戦も濃厚。日本人最上位者が内定という残り1枚の切符を巡ってハイレベルな戦いが繰り広げられる。


 

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