【砂村光信 視点】南ア、頂点へ イングランド“イトジェ封じ”が鍵

[ 2019年10月28日 09:15 ]

ラグビーW杯2019 準決勝   南アフリカ19―16ウェールズ ( 2019年10月27日    日産ス )

<ウェールズ・南アフリカ>前半、モールを押し込むエツベス(中央)ら南アFW陣(撮影・吉田 剛)
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 戦前は選手層の厚い南アフリカが突き放す展開も考えられたが、ウェールズの堅い防御が接戦の要因となった。リザーブにFW6人を入れた南アに対し、前半途中に右プロップが退くなど満身創痍(そうい)。それでも接点で根負けせず、決定力のあるバックスリーにチャンスを与えなかった。SHデクラーク、SOポラードのキックに対する処理も、ガットランド監督が「世界一、空中戦がうまい」と評していたFBハーフペニーがうまく処理していた。

 結果的に決勝PGにつながる直前の場面では、デクラークの横回転がかかったグラバーキックが相手陣の奥深くでタッチラインを切った。ウェールズにとってはマイボールラインアウトだが、南アは準々決勝までに11回のスチールに成功している。精神的な圧力が、モールでのペナルティー(コラプシング)を生んだとも言える。

 決勝は相手ごとに戦略を変えられるイングランドにやや分があると見る。FWを前面に押し出す南アとしては、ロックのイトジェをどう封じるかが鍵を握るだろう。(元U―23日本代表監督)

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