台風中止に悲喜こもごも イタリア主将は消化不良で引退も ラグビーW杯

[ 2019年10月10日 20:24 ]

台風19号の接近でニュージーランド戦が中止になり、インタビューに応じるイタリアのセルジオ・パリセ主将
Photo By 共同

 ラグビーW杯日本大会組織委員会と国際統括団体ワールドラグビー(WR)が10日、台風19号の影響で12日の1次リーグ2試合の中止を決定したことを受け、関係各チームの首脳や選手がさまざまな反応を示した。

 すでに準々決勝進出を決めていたC組のイングランドは、東京都内でエディー・ジョーンズ監督が会見。全勝対決となる予定だったフランス戦(日産スタジアム)は引き分け扱いで勝ち点2を加え、同組1位通過が確定。台風による中止は「ショウガナイネ」と日本語で表現。チームは同日午後、台風の影響が小さいとみられる宮崎へ移動し、3日間の短期合宿を行う。日本代表ヘッドコーチ時代と変わらぬ準備の周到ぶりを見せ、「準々決勝まで2週間ある。神様が微笑んでくれたのかも知れない」と話した。

 勝ち点2を加え、B組1位が決まったニュージーランドは千葉県浦安市で練習後に会見。思わぬ形で1987年の第1回大会から続いていた1次リーグでの連勝記録が31でストップしたが、スティーブ・ハンセン監督は「天気はコントロールできない。安全を第一に考えて正しい判断がなされた」などと中止決定を支持。キーラン・リード主将も「当然試合をしたかったが、安全のためだと理解しないと」と話した。

 一方で中止に納得がいかないのが、愛知・豊田スタジアムでニュージーランドと対戦予定だったイタリアだ。過去の対戦成績は0勝14敗ながら、勝てば8強入りの可能性があったものの、同組3位でW杯を終えた。豊田市内で会見したコナー・オシェイ監督は「言葉にならない。決定を受け入れるのは本当にとてもつらい」と渋い顔。史上最多タイの5度目のW杯出場で、今大会限りでの現役引退を表明しているセルジオ・パリセ主将は「台風の季節にやるのは分かっていたこと。プランB(代替策)をつくるべきだった」と話した。

続きを表示

この記事のフォト

2019年10月10日のニュース