12日のNZ―イタリア、イングランド―フランス戦は中止 W杯史上初 日本戦は13日朝に判断

[ 2019年10月10日 12:05 ]

ニュージーランドフィフティーン
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 ラグビーの国際統括団体ワールドラグビー(WR)とW杯日本大会組織委員会は10日、都内で会見を開き、大型の台風19号の接近による影響で、12日に予定されていた1次リーグB組のニュージーランド―イタリア(午後1時45分開始、豊田スタジアム)、C組のイングランド―フランス(同5時15分開始予定、日産スタジアム)の2試合を中止にすると発表した。中止の場合は大会規定で引き分け扱いとなり、両チームに勝ち点2ずつが与えられる。1987年に始まったラグビーW杯で試合の中止は史上初めて。

 C組はイングランドとフランスが各組2位以内が進む決勝トーナメントへの進出が決定済み。イングランドが勝ち点17で1位、フランスが同15で2位となる。B組は4試合を終えた南アフリカが勝ち点15で決勝トーナメント進出を決めており、ニュージーランドとイタリアが12日の試合で残り1枠を争う予定だったが、引き分け扱いとなったため勝ち点16のニュージランドが1位で決勝トーナメントへの進出決定。南アフリカが2位となり、イタリアは試合をせずに1次リーグ敗退が決まる形となった。中止となった試合のチケットは全額払い戻しとなる。払い戻しの方法は今後案内される。

 なお、12日のアイルランド―サモア(午後7時45分開始、レベルファイブスタジアム)は台風の影響が少ないと判断されており、現時点では実施される予定。台風通過が見込まれる13日の日本―スコットランド(同、日産スタジアム)など4試合に関しても実施を目指しており、台風通過後の安全性を確認した上で試合当日朝に可否を判断する。中止の場合は原則、試合開始6時間前までに決定される。

 W杯統括責任者のアラン・ギルピン氏は「簡単な決定ではない。開催都市やチームとも交渉してきたが、実施にはあまりにもリスクが大きいと判断した」とコメント。組織委の嶋津昭事務総長は「選手や観客の安全を考え、一番適切な対応を検討してきた。大会が順調に推移してきたので、こうなるのは残念だが、最低限に影響をとどめた上で大会の成功を目指していきたい」と話した。中止となった試合については会場の変更なども検討されたが、12日は使用できる会場が少ない上に、敗退チームの帰国も含めてチーム移動に相当な負担がかかると判断したという。なお、大会は興行中止に備えて保険に加入しており、払い戻しなどが起きても損害金額のうち一部はカバーされるとした。

 ギルピン氏は日本―スコットランドについて「大きな試合なので全ての手立てを尽くしてでも開催したい。できないのなら他の試合と同じようにする」と語り、嶋津事務総長も「日本国民は試合を見たいと思う。見ていただける方向で努力する」と述べた。

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