どんなドラマが…1次リーグ最終盤を面白くするボーナスポイントという「スパイス」

[ 2019年10月10日 11:08 ]

<スコットランド・ロシア>トライを挙げたホーン⑨を祝福するスコットランドフィフティーン(撮影・西尾 大助)
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 4年前は日本にとって超激辛だったが、今回はどうか。ボーナスポイントという「スパイス」が、1次リーグ最終盤を迎えたW杯を面白くしている。

 9日のスコットランド―ロシア戦。中3日で迎える日本戦を考慮し、主力をごっそり温存したスコットランドだが、9トライを奪って61―0で圧勝。見事勝ち点5を得て、総勝ち点10とした。この時点で1次リーグA組は総勝ち点14の日本が1位、同11のアイルランドが2位、スコットランドが3位という並びで、それぞれが12、13日の最終戦に臨む。

 すでに各所でシミュレーションされているように、日本の自力突破ラインは「16」。13日のスコットランド戦で引き分けるか、4トライ以上かつ7点差以内の敗戦(勝ち点2)で、史上初の準々決勝進出が決まる。もちろんこれは、アイルランドが12日のサモア戦で勝ち点5を得ることを前提としたもの。引き分け以下ならその時点で日本の8強入りは決まり、3トライ以下の勝ちならば、また別の状況が生まれる。

 ここで思い出したいのが、9月28日の日本―アイルランド戦のラストシーンだ。19―12と7点リードで迎えた後半40分、終了の合図となる銅鑼(どら)が鳴った。ラストワンプレー。反則がない限り、プレーが切れればフルタイム。その時、少なくとも私は、ボールを保持していたアイルランドが引き分けを目指して最後まで攻撃を続けるものだと思っていた。ところが自陣ゴールライン付近だったこともあり、あっさりとキックでタッチラインを切った。何が起きたのか、何をしたかったのか、すぐには理解できなかったのは、ベンチにいた日本の交代した先発選手の同じだったはず。喜び勇んでピッチに飛び出す反応が、明らかに悪かったからだ。

 少し時間がたち、その後の会見でジョー・シュミット監督の「このボーナスポイントが後々重要になるかも知れない」との言葉を聞き、ようやく合点がいった。無理に攻めて再びボールを失い、点差を広げられて7点差以内の敗戦で与えられるボーナスポイント1を失うリスクを負うよりも、虎の子1点を確保する。あの状況でコーチも選手も冷静なマネジメントができていたことに舌を巻いた。

 ここからはタラレバ。もしあの試合でアイルランドがBPを獲得できなかったら、3試合を終えた時点の総勝ち点は10。となればスコットランドを含めた3チームが勝ち点15で並ぶ場合を除けば、日本はスコットランド戦で勝ち点1さえ確保すれば、8強入りが決まったことになる。2か1か。この差は極めて大きく、戦い方も大きく左右する。もう直接対決できない日本を少しでも追い詰める、という意味では、アイルランドは最善の判断を下したと言える。

 5日の日本―サモア戦でも終了間際、わずかな1次リーグ突破の可能性を残すため、はるか95メートル先のインゴールを目指してスクラム選択をしたサモアの判断が取りざたされた。「男気」と褒め立てる声もあれば、「愚行だ」との声もある。言えることは、熱い感情も冷静な判断も、全てが交じって一つのプレーや判断が生まれるということ。1次リーグ最終戦、さまざまな伏線を経て、どんなドラマが生まれるか。(阿部 令)

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