川井梨が57キロ級五輪代表!V4絶対女王に“勝った”2大会連続切符

[ 2019年9月19日 05:30 ]

レスリング 世界選手権第5日 ( 2019年9月18日    カザフスタン・ヌルスルタン )

女子57キロ級準決勝、攻める川井梨(撮影・会津 智海)
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 東京五輪予選を兼ねて行われ、女子57キロ級は川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)が準決勝でアデクロイエ(ナイジェリア)を6―1で下し、2大会連続の五輪代表に内定した。五輪4連覇中の伊調馨(35=ALSOK)の同階級での五輪出場は絶たれた。76キロ級の皆川博恵(32=クリナップ)もエプ・マエ(エストニア)に快勝し、初の五輪切符。前日、代表内定を決めた53キロ級の向田真優(22=至学館大)は決勝で敗れ銀メダルに終わった。

 川井梨にとって2度目の五輪でも、57キロ級での代表内定は格別だった。攻めあぐねて1点をリードされながらも、第2ピリオドで両足タックルからテークダウンを奪い逆転。さらにポイントを重ねて勝利を決め、右手でガッツポーズした。

 「馨さんに勝ってオリンピックに出たいと思った4年前、15年の世界選手権を思い出しながらここに来た。チャンスをモノにするという気持ちで、後悔する6分間にはしたくなかった」

 リオ五輪は伊調を避けて63キロ級で出場。金メダルを獲得しても、悔しさが残った。伊調の戦線復帰後の代表争いはし烈を極め、昨年12月の全日本選手権で敗れた後は引退も考えた。そんな時に響いたのが、89年世界選手権7位の母・初江さんの「親としても見ていてつらいけど、後悔してほしくない」との言葉。「私だけがつらいわけじゃない」ことを知った。以降は弱音を吐くことはなくなり、ついに伊調との争いに勝利した。

 国内大会では初江さんからおにぎりの差し入れが届くというが、この日の早朝も部屋まで持ってきてくれたといい「場所は違うけど、いつもと同じ気持ちで臨めた」と明かす。3回戦後は観客席にいた母の元に62キロ級の妹・友香子(22=至学館大)と集まり決勝の相手の映像を3人で確認。「母は攻めるレスリングが好きなので、それを見せられて良かった」と笑った。

 19日から試合に臨む友香子より一足先に五輪切符を獲得。08年北京の伊調千春、馨姉妹以来となる姉妹での五輪出場は、自身の3大会連続の金メダルとともに祝う。

 ◆川井 梨紗子(かわい・りさこ)1994年(平6)11月21日生まれ、石川県津幡町出身の24歳。両親は元レスラーで、元日本代表の母・初江さんがコーチを務める金沢ジュニアで小2から競技を始める。至学館高―至学館大。16年リオ五輪63キロ級で金メダル。世界選手権は過去2度優勝。3姉妹の長女で、次女・友香子、三女・優梨子もレスラー。1メートル60。

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