リーチ 笑顔の夏休み、W杯向け母の故郷でリフレッシュ

[ 2019年8月12日 05:30 ]

母親の故郷で馬に乗るラグビー日本代表のリーチ主将と長女アミリア真依ちゃん
Photo By 共同

 ラグビーW杯日本大会(9月20日開幕)の前哨戦となるパシフィックネーションズ杯(PNC)で全勝優勝を飾った日本代表が11日、10日に米国戦が行われたフィジー・スバから帰国の途に就いた。リーチ・マイケル主将(30=東芝)は現地でチームを離れ、母イバさん(59)の出身地である同国北部の村を訪問。現在は父コリンさん(62)が在住する大自然に飛び込み、18日からの網走合宿に向けて英気を養った。

 フィジー最大の空港があるナンディから北東へ約100キロ。最後は舗装路が途切れ、車で砂利道を30分以上も走り、さらに小川を渡った先に目的の地はあった。かつて母イバさんが暮らし、17年からは父コリンさんが住むタブア村の外れの集落。歓迎のメッセージが書かれた日の丸が垂れ下がる入り口をくぐると、リーチは心のスイッチをオフにした。

 「こっちに来ると自然の中でリフレッシュできます。気持ちが楽になる。やることもないし。これで完全に(ラグビーを)忘れる」

 枯れ草色の山々に囲まれた集落にも時代の波は押し寄せ、今では微弱ながら携帯の電波は受信できる状態に。だが電気、水道は引かれておらず、昨年末以来の訪問となったリーチは、太陽光パネルの自家発電でエアコンが設置されたことを知り「え?本当?」と目をぱちくりさせたほど。この日は長女アミリア真依ちゃん(5)と乗馬を楽しみ、心身ともにリフレッシュ。ピッチでは見せない、柔らかな笑みをたたえた。

 前日はバス1台を借り切り、米国戦の応援に訪れていた親類からは、最大級のもてなしも受けた。鶏肉料理やカレー、フィジーでは主食として食べられる芋の一種のキャッサバに、タロイモの葉を使った料理などなど。それら全てが自給自足。「うまい。特にタロイモの葉の料理」と舌鼓を打つと、伝統の飲み物「カバ」も親類と楽しんだ。

 今回の滞在はわずか3時間ほどだったが、出発前にはフィジーの別れの歌「イサレイ」を贈られ、自身のルーツを再確認したリーチ。再び修練の場に戻る前に、最高の休息となった。

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