八村“NBA仕様”で大活躍 ダンクなしで35得点 鮮やかなジャンプシュートを連発

[ 2019年8月12日 19:47 ]

<日本・ニュージーランド>第1Q、開始から得点を重ねる八村(右)=撮影・小海途 良幹
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 アジア2次予選でE組1位だったニュージーランドを倒した日本代表の八村塁(21=ウィザーズ)はファウルトラブルと直面しながらも最後までチームの大黒柱として踏ん張った。試合会場となった千葉ポートアリーナは、昨年6月にオーストラリア(世界ランク11位)を79―78の1点差で下し、4連敗後の8連勝の起点となった思い出の場所。35得点をたたき出した八村は「オーストラリアを倒した意味のある地で勝ててよかった」とオセアニアの2強をともに倒して胸を張った。

 ゴンザガ大時代はインサイド優先でローポストからペイント内で勝負するパターンが多かったが、日本代表ではこの日21得点を挙げたニック・ファジーカス(34=川崎)がセンターとして先発していることもあって、八村は大学時代にあまり見せなかったアウトサイドからのシュートを多用して応戦。詰めかけたファンを“NBA仕様”の新たなプレースタイルで魅了した。

 勝負どころの第4Qには右45度と正面やや左から3点シュートを連続して成功。それは八村を1巡目で指名したウィザーズのコーチ陣が求めているものでもあり、この日はダンクを披露することなく、これまでとは違った形で得点を積み重ねていった。

 ファジーカスも21得点を挙げたが、同じNBA勢の渡辺雄太(24=グリズリーズ)が右足首の捻挫でベンチ入りしていない状況の中で代表での自己最多記録を一気に10得点も更新。ニュージーランドにはNBAオクラホマ・サンダーのセンターで、年俸2416万ドル(約25億円)を稼ぐスティーブン・アダムス(26)がまだ合流していないが、それでもアジア予選で10勝2敗だった強敵を倒したことで“八村ジャパン”の評価は高まるばかり。かつてアルゼンチン代表を率いたフリオ・ラマス監督(55)は、チーム全体で55・4%というフィールドゴールの高い成功率に「いい内容の試合だった。選手は集中していたし結果を残せたのは良かった」と納得の表情。W杯中国大会で対戦するトルコ(世界ランク17位)とチェコ(同24位)、さらに王者・米国(同1位)との本番での戦いにも期待をもたせる一戦となった。

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