2度のケガ乗り越え…“ゴリ”清水邦広、3年ぶり全日本戦列復帰で涙 東京五輪へ「茨の道だがアピールを」

[ 2019年8月3日 17:55 ]

第1セット、サーブを放つ清水
Photo By 共同

 バレーボール男子の国際親善試合第1戦は3日、青山学院記念館で行われ、世界ランキング11位の日本は同6位のカナダを3―0のストレートで下し、同国相手に約4年ぶりの白星を挙げた。日本は第1セットを25―19で先取、第2セットも7連続得点などで流れを渡さず25―22で連取すると、第3セットも25―22でカナダを寄せ付けなかった。第2戦はあす4日に同所で行われる。

 2度の大けがを乗り越えて08年北京五輪代表の“ゴリ”清水邦広(32=パナソニック)が3年ぶりに龍神ジャパンの戦列に復帰。第1セット終盤にコートに送り込まれると、苦しい体勢から意地の1得点。この日はその1点にとどまったが「うれしい1点でした」と笑顔がはじけた。

 昨年2月に右膝じん帯断裂など全治1年の大けがから執念で這い上がってきた。その前年にも右足甲の疲労骨折で長期離脱。心も折れそうになったというが、試合後には復帰を支えた福沢達哉(32=パナソニック)と熱い抱擁をかわし、目に涙を浮かべた。清水とともに最年少で北京五輪に出場した盟友の福沢は「彼が苦しんでいるのは僕が知っている。五輪までは『現地集合』を合い言葉にしている。ゴール地点は東京五輪。もう一度2人でスタートラインに立てたのは感慨深い」と語った。

 清水が主戦場にするオポジット(セッター対角)のポジションには成長著しい西田有志(19=ジェイテクト)ら若手の成長も著しい。西田はこの日、エース石川祐希(23=パドバ)の17得点に次ぐ12点をマークするなど競争は激化している。

 清水は今でも痛みを抱えていて、100%の状態とはほど遠いという。それでもゴリの表情からは悲壮感は感じられない。「この年で代表に残るのは何かしらの武器がないと駄目。茨の道だがアピールしていきたい。バレー人生を懸けたい」。“元エース”の心に闘志が宿った。

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2019年8月3日のニュース