谷川翔 初V&初世界切符 兄・航と大会史上初の兄弟ワンツー

[ 2019年5月20日 05:30 ]

体操NHK杯最終日 ( 2019年5月19日    東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ )

2位に入った兄・航(右)と検討を称え合う谷川翔(撮影・吉田 剛)
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 男子で4月の全日本選手権で連覇した谷川翔(20=順大)が、持ち点と合わせ合計254・363点で初優勝し、初めて世界選手権(10月、ドイツ)代表に入った。兄の航(22=セントラルスポーツ)が2位で、大会史上初の兄弟によるワンツーも達成。3位の萱和磨(22=同)までが世界切符を獲得した。白井健三(22=日体大大学院)は23位だった。 

 種目ごとにカメラへピースするなど余裕だった谷川翔の表情が、場内インタビューで一変した。「今日一日怖くて。泣きそうなんですけど…」と話すと涙があふれる。昨年は最終種目の鉄棒で落下し、逆転を許した。あれから1年。鉄棒を大きなミスなくまとめ「こんなに頑張ってきて、決めたいという思いがあった。感動ものでした」と振り返った。

 小さな頃から憧れだった兄・航の猛追をしのいだ。全日本の持ち点では1・835点差をつけていたが、翔は2種目目のあん馬で落下し、5種目を終えて兄が0・502点差の2位に。「鉄棒の前に(航が)真下にいて恐ろしいなというのはあった」と話したが、「昨年の落下は忘れて演技に集中した。鉄棒が一番成長を感じた」と胸を張った。

 内村航平が全日本で予選落ちし、世界選手権代表入りは絶望的。「内村さんに頼ってばかりじゃなくて、超えていくくらいじゃないと。僕が引っ張っていくくらいの覚悟を持ってやっていきたい」。新エースの自覚を持って、20歳が世界に挑む。 

 ≪航も世界切符≫谷川翔の兄・航がこの日はトップの85・698点をマークし全日本の5位から2位に食い込んだ。跳馬では高難度の「ブラニク」を鮮やかに決めて14・866点のハイスコアをマークするなど、安定した演技を披露。兄弟のワンツーは大会史上初で、昨年に続き世界切符をつかんだ。団体総合での金メダル奪回へ、「死ぬ気で、金メダルを獲れるようにやっていきたい」と大舞台を見据えた。

 ▽世界選手権の男子選考 枠は「5」。NHK杯で谷川翔と航、萱が代表に決定。残り2人は4月の全日本選手権の予選と決勝、NHK杯、6月の全日本種目別選手権の予選、決勝の計5回の演技のうち、各種目の高得点3演技の平均得点でチーム得点を算出し、既に決まっている3人と組み合わせ、チーム得点が最高となる2人を選ぶ。内村は鉄棒で種目別への出場権がある。

 

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2019年5月20日のニュース