羽生 4回転コンプリート目指す、イチ魂胸に覇権奪回再び

[ 2019年3月25日 05:30 ]

フィギュアスケート世界選手権エキシビション ( 2019年3月24日    さいたまスーパーアリーナ )

<世界フィギュア男子フリースモールメダルセレモニー>来季の目標を聞かれはにかむ羽生(撮影・長久保 豊)
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 フィギュアスケート世界選手権で男子2位の羽生結弦(24=ANA)が24日、フリーから一夜明けて取材に応じ、来季の4回転6種類の習得に改めて意欲を見せた。現役引退を表明した野球界のレジェンドであるイチロー外野手(45=マリナーズ)の練習法を参考にし、覇権奪回を目指すことを力強く宣言した。この日は、会場のさいたまスーパーアリーナでエキシビションが行われた。 エキシビション写真特集

 激闘から一夜明け、羽生は新たな青写真を描いていた。男子表彰台3選手が出席したスモール・メダル・セレモニー。ファン3000人が集結した前で来季以降の構想を問われると、ニヤリと笑った。「それ、言わせたいだけですよね」。そして、断言した。「アクセル頑張ります!ルッツも頑張ります!フリップも頑張ります!」。覇権奪回へ、のろしを上げた瞬間だった。

 王者が王者であるために、4回転ジャンプをコンプリートする。前人未到の超大技4回転アクセル挑戦を明言するが、フリップも加えた全6種類のプログラム編成を可能にする算段だ。前夜は悔しさからか3時間しか眠れなかったという。「汚いジャンプだらけ」。反省会では、現実を受け入れるしかなかった。ただ、勝ちたい。勝負師としての欲が、24歳を駆り立てた。

 今回優勝した最強ライバルのチェン(米国)は4回転5種類を操る唯一のスケーター。今大会も羽生が跳んだループより得点の高いルッツ、フリップを組み込み、フリーの技術点は121・24点で羽生の110・26を大きく上回った。3位のゾウ(米国)もルッツの連続ジャンプが切り札。「彼らがノーミスしても、僕がクリーンな演技をしたら絶対に勝てる状態を目指す」――。五輪連覇を果たした男の矜恃(きょうじ)だった。

 世界の第一線を走り続ける羽生にとって、憧れの存在が現役引退を表明したイチローだった。優勝した14年ソチ五輪。羽生には関係者を通じ、レジェンドのサイン色紙が贈られていた。イチロー引退の話題を振られると、「いろんな言葉で支えられた。いろいろ影響を受けて練習方法を変えてきた。(イチローの言葉を)研究しつつ自分に生かせたら」と敬意を込め「改めて希望の灯を頂けた」と言った。羽生の魂にはレジェンドのエッセンスも詰まっている。

 14年に世界選手権初制覇を成し遂げた地・埼玉で、今度は「原点」とも言うべき勝利への飢えを知った。「誰が見てもGOE5点(出来栄え点満点)をつけたいなと思えるようなジャンプを全部目指す」。羽生はエキシビションで「春よ、来い」を美しく舞った。季節がまた一つ巡り、新たな挑戦が始まる。

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