白鵬の三本締めに横審クレーム「第一人者としてあるまじき行為」

[ 2019年3月25日 19:52 ]

<大相撲春場所千秋楽>ファンと一緒に三三七拍子する白鵬 (撮影・奥 調)
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 大相撲の本場所後恒例の横綱審議委員会が25日、両国国技館で行われ、春場所千秋楽の取組後に観客に三本締めの手拍子を求めた白鵬の行為を疑問視する声が相次いだ。

 会議後に会見した矢野弘典委員長は「(委員の間で)話題になりいろいろ意見が出た。違和感を覚える人が多かったと思います」と注文を付けた。

 本場所では千秋楽の表彰式組後に、相撲の神様を送り返す神送りの儀式がある。その最後に新弟子の胴上げなどを行い三本締めで一連の行事を終える。そうした伝統をないがしろにするような白鵬の態度に、矢野委員長は「手締めは千秋楽のすべての行事が終わった後に(神事として)やるもの。たとえ優勝したとしても一力士とてやる立場にあるのか疑問。神送りが終わって(本場所が)全部終わる。それをやる前にどうかということ」と指摘した。

 その上で「平成29年に万歳をして問題になった。その時は(宮城野)親方と本人を呼んで理事会で厳重注意したと聞いている。それが今度は手締め。誰も予想しない形になった。力士への教えを理事会としてどうするのか、決めていただければと思います」と協会に対応を求めた。

 白鵬の優勝インタビューでの言動に大きな批判が集まるのは、17年九州場所に続きこれが2度目。日馬富士の暴行事件が起きた直後で、白鵬自ら現場の酒席に同席していた当事者だったが、通算40度目の優勝を飾った高揚感から「年6回の最後の場所でみなさんと万歳三唱したいなと思います。1年みなさんありがとうございました」と観客に万歳を求め、協会から厳重注意を受けた経緯がある。

 矢野委員長と会見に同席した芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「自分もああまたやったと思った」と違和感を覚えたことを明かし「第一人者としてあるまじき行為という意見もあった。神送りの前に自分で締めるのはまずいということを教えないといけない」と話した。

 協会の対応については「どういう流れになるかはこれから」と話すにとどめた。ただ、この日の横審の意見を受け28日の定例理事会で処分が話し合われる可能性もある。 

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