陵侑 今季11勝目、船木超え日本人最多16度目表彰台

[ 2019年2月18日 05:30 ]

ノルディックスキー W杯ジャンプ男子個人第22戦 (ヒルサイズ=HS145メートル) ( 2019年2月17日    ドイツ・ビリンゲン )

個人総合優勝へ大きく前進した小林陵
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 個人総合首位の小林陵侑(22=土屋ホーム)が合計274・4点で2日の第18戦以来、4戦ぶりの今季11勝目を挙げた。国際スキー連盟(FIS)によると、1シーズン16度目の表彰台は98〜99年シーズンの船木和喜(43=フィット)を超える、日本人男子最多。20日にオーストリア・ゼーフェルトで開幕する世界選手権前最後のW杯での金字塔で、日本人男子選手初の個人総合優勝へ大きく前進した。

 1回目に1人だけヒルサイズを越えた小林陵が、右手で力強くガッツポーズした。課題に挙げていた飛型点でもまずまずの得点をマーク。2位に9・5点、飛距離換算で5メートル以上の差をつけると、2回目も余裕のフライト。W杯残り6戦で、個人総合2位のストッフには430点(優勝100点)を超える差をつけ、日本男子初の総合優勝に大きく近づいた。

 連戦の疲れで「思った通りに体が動かない」と漏らした前日も3位入賞。「ここまで安定しているとは思わなかったので、上出来」と納得の出来だった。

 わずかなズレを修正できる能力が、強さを支える。15日の団体は、各チームのエースが務める4番手の中で2本とも4位の得点。16日の公式練習も133メートルにとどまった。「ずっと同じミスをしていた。助走で爪先に(体重が)かかって(前に)刺さり気味になっていた」。1本目で体重をやや後ろにかけたことで助走の滑りがスムーズになり、公式練習よりも飛距離を約10メートル伸ばした。

 課題に挙げた飛型点も、徐々に修正できれば、もはや無敵になる。「ジャンプはトップレベルにある」と自信をつかんだ技術の高さで飛距離を伸ばす22歳は、世界選手権、そしてその先にある偉業に、着実に近づいている。

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2019年2月18日のニュース