55歳で急死したニッカネン氏は就寝中に死亡 糖尿病が原因か?

[ 2019年2月5日 11:55 ]

死去したマッチ・ニッカネン氏
Photo By 共同

 55歳で急死したノルディック・スキー・ジャンプ男子の元スーパースター、フィンランドの故マッチ・ニッカネン氏の死因は明らかにされていないが、地元メディアなどでは昨年から治療を開始していた糖尿病との関連性を指摘している。

 同氏が死亡したのは就寝中。情報は錯そうしているが、睡眠中に現れる低血糖、いわゆる「夜間低血糖」に陥った可能性が高く、対処が遅れたとする見方が出てきている。

 糖尿病と診断されたのは昨年の夏。フィンランドの地元紙アームレヘティによればニッカネン氏は「最初は怖かったけれど、インスリンを適切に使えば対処できることがわかった。それで生きるエネルギーが戻ったよ」と楽観的に語っていた。

 死亡が確認される2日前となった2月2日。現在は歌手として活動しているニッカネン氏は、自宅のあるヨウツセノ(現在の自治体名はラッペーンランタ)から250キロ離れたフィンランドの首都ヘルシンキのレストランでステージを務めて熱唱。レストランは満員で歓声が沸き起こっていたという。しかしその2日後、3人の子どもをもうけているピア夫人が夫の死を確認せざるをえない事態となった。

 日本で「鳥人」という異名を持っていたニッカネン氏の人生は波乱万丈だった。84年サラエボ、88年カルガリー両五輪で計4個の金メダルを獲得したが、歌手としてリリースした2枚目のアルバムで失敗。多額の借金を抱えるようになるとトラブルが続出した。アルコール依存症に加え、2004年には殺人未遂事件で逮捕され、2009年には妻への暴行でそれぞれ服役するはめになった。

 生活費を捻出するためにストリップ・ダンサーとなったこともあり、離婚は4回を数えた。さらに注意欠陥・多動性障害(ADHD)とも診断されており、「健康の維持」と「人生の組み立て」は圧倒的な強さを誇ったジャンプのようにはいかなかった。

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2019年2月5日のニュース