陵侑レジェンド超え!W杯シーズン日本人初4連勝&最多7勝

[ 2019年1月5日 05:30 ]

ノルディックスキー W杯ジャンプ男子 ( 2019年1月4日    オーストリア・インスブルック )

W杯で4連勝しガッツポーズをする小林陵(AP)
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 伝統のジャンプ週間第3戦を兼ねた個人第10戦(ヒルサイズ=HS130メートル)が行われ、22歳の小林陵侑(土屋ホーム)が1回目に最長不倒の136・5メートル、2回目に131メートル、合計267・0点で、ジャンプ週間3連勝を果たし、日本のジャンプ男子で初となるW杯4連勝を飾った。今季、通算ともに7勝目で、W杯のシーズン勝利数で6勝の葛西紀明を上回る日本男子で単独最多。97〜98年シーズンの船木和喜(フィット)以来日本勢2人目の総合優勝に大きく前進した。

 2回ともヒルサイズを越える大飛躍で圧勝した小林陵は「凄くいいジャンプができて、うれしい」と喜ぶ一方で、「難しかった。(簡単そうに飛んだと)見えるのなら良かった」と振り返る表情には安堵(あんど)感がにじんだ。異次元の戦いをクリアし、67回目を数える伝統の4連戦で史上3人目の完全制覇へあと一歩とした。

 インスブルックの会場はすり鉢状の構造の影響で、風の向きや強さが安定しないことが多い。絶好調の小林陵でさえ「ここで勝つのは難題。風がめまぐるしく変わる台。凄く運に左右される」と話していた。

 飛距離の出やすい向かい風が吹き続けたが、強さは選手によってまちまち。ベテランの葛西は「一番難しい。ここを勝てれば、次も勝つ」と快進撃を続ける日本の新エースにとって大きなハードルになるとみていた。そんな難関を22歳の若武者は軽やかに飛び越えた。

 ジャンプ週間総合優勝は、4戦計8回の飛躍の合計点で競う。2戦を終えた時点でわずか2・3点差(飛距離換算で1・5メートル以下)だった総合2位のアイゼンビヒラー(ドイツ)との差を一気に45・5点(約25メートル)にまで広げた。

 日本勢2人目の総合優勝へ注目度は増すばかりだが「あまり考えていない。一本一本、いいジャンプをしたい」。今季、大きく飛躍したジャンパーは自然体を貫き、独走状態を築いた。

 ◆小林 陵侑(こばやし・りょうゆう)1996年(平8)11月8日生まれ、岩手県八幡平市出身の22歳。5歳でスキーを始め、小1から本格的にジャンプを開始。盛岡中央高までは複合との二刀流で、15年4月の土屋ホーム入社後からジャンプに専念。16年からW杯に参戦。18年平昌五輪の個人はノーマルヒル7位、ラージヒル10位。1メートル73、60キロ。

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