【手記】葛西紀明 陵侑よ スーパー団体で金を「いい感覚を見つけてもらえたら」

[ 2026年2月16日 02:00 ]

ミラノ・コルティナ冬季五輪 第9日 ジャンプ   男子個人ラージヒル(ヒルサイズ=HS141メートル) ( 2026年2月14日    プレダッツォ・ジャンプ競技場 )

24年10月、大会後、笑顔でポーズをとる(左から)二階堂、葛西
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 スキージャンプ男子で冬季五輪史上最多8度の出場を誇る“レジェンド”葛西紀明(53=土屋ホーム)が男子個人ラージヒルを国内で観戦し、スポニチに手記を寄せた。銀メダルを獲得した二階堂を祝福。小林陵とともに臨む男子スーパー団体の金メダルに期待した。

 蓮、銀メダルおめでとう!特に1本目は完璧で、金メダルいけたかな?と思いました。公式練習から誰よりも助走スピードが出ていたので、スキーに乗れているなっていうのはありました。2本目は余計なプレッシャーがかかったんじゃないかな?

 動じないタイプですけど、五輪で最後に飛ぶのはさすがに相当なプレッシャー。選手が誰も残っていない。自分一人っていう場面はあまり味わったことがないはず。力が入ればバランスも悪くなる。それでも失敗して、あそこまで飛距離を伸ばせたのは調子がいい証拠。銅、銀って順番に獲れていいんじゃないですか。本人は銀メダルで悔しがっていたけど、間違いなく、その悔しさがバネになる。悔しい思いや失敗をしないと勝ちたいという気持ちはなかなか湧いてこない。いい経験だったと思います。

 僕の結婚式(14年)に出てくれたのが思い出かな。中学生くらいの子って、あまり式に出席しないじゃないですか。なので、びっくりしました。お父さんの学さんとは今回のジャンプ会場のバルディフィエメで開催された91年の世界選手権で一緒でした。蓮と同じようにテイクオフが鋭く、今思えば似ているなと。ひょうきんな方で僕が車好きになったのは間違いなく、お父さんの影響です。

 陵侑の1本目は、踏み切りでパワーが伝わっていなかったですかね。飛ぶ時にちょっと反動を使っている。いい時は反動を使わないで一発でポーンって立つタイプ。今回の五輪は反動を使うようなところがあるので、その分、パワーが伝わらない時がありますね。

 最初に陵侑のジャンプを見た時、衝撃を受けたのを覚えています。踏み切りから空中に移行するまでが、当時トップ選手だったシュリーレンツァウアー(オーストリア)にそっくりでした。その後、陵侑が土屋ホームに入って、W杯でポイント(30位以内)を獲れずに苦しんでいる時、本人に「0ポイント」って言い続けたのは、悔しいという気持ちを持ってもらうためでした。今では日本のエース。ある意味ライバルですが、今はこちらが勉強させてもらっている感じですかね。

 あとは男子スーパー団体。陵侑は今のジャンプでも金メダルを狙えると思いますが、もう1、2本飛んでいい感覚を見つけてもらえたら。蓮は2本目でうまくいかなかったので、プレッシャーに打ち勝つこと。他国があまり調子が良さそうではないので、チャンスって感じ。ライバルはオーストリア、ノルウェー、ドイツあたりかな。優勝の可能性はかなりあると思うので、楽しみです。 (土屋ホーム・スキー部選手兼監督)

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