碧山 2敗キープで貴景勝を追走 史上初連敗発進から優勝狙う

[ 2018年11月22日 05:30 ]

大相撲九州場所11日目 ( 2018年11月21日    福岡国際センター )

碧山はのど輪で豊山(右)を押し込み9連勝(撮影・岩崎 哲也)
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 平幕・碧山が豊山をはたき込んで2敗をキープ。栃煌山を下して単独トップを守った小結・貴景勝をピタリと追走している。過去、初日と2日目で連敗してから優勝した例はなく、幕内下位から奇跡の逆転を狙う。大関・栃ノ心は6勝目を挙げ初の年間最多勝を決めた。1敗の貴景勝を大関・高安、平幕・大栄翔、碧山が1差で追う展開になった。

  離れない。碧山が自己記録更新の幕内9連勝で、貴景勝をピタリと追走。同じタイプの豊山と激しく突き合い、相手を太い右腕でぐっと起こしながらはたくと、豊山は土俵にダイブするしかなかった。

 「最後は引いてしまったけど起こして、いなしているから。稽古のおかげ」

 この一年は負傷続き。昨秋に右膝を負傷。昨年九州場所では右足首、今年春場所でまた右膝。名古屋場所の直前には足の裏を痛めた。9月の秋場所では左足首を捻挫。しかし、今場所は大きな不安がない。

 朝は同部屋の栃煌山と三番稽古してから場所入り。9日目の朝稽古では栃ノ心が加わっての申し合いもあった。本場所と同じピリッとした雰囲気が漂い、気合も高まる。13勝2敗で千秋楽まで白鵬と優勝を争った昨年名古屋場所と、同じルーティンだ。

 2年前に結婚し、東京に残してきた愛妻、ビオレタさんと、場所入り前と取組後にテレビ電話で話している。「ほんとは一人にさせたくない」。今場所の初日、2日目と連敗したときには「大丈夫」と激励された。勝ち越した10日目、電話の画面越しの妻の目に涙があった。同じブルガリア出身の夫人はドイツ語、英語、ブルガリア語を操る。昨年から日本語学校に通い、読み書きが苦手な碧山に漢字の手ほどきをすることもある。優しい妻が心の支えだ。

 過去、連敗スタートから優勝した力士はいない。賜杯については「まだ早いんじゃないですか」と気持ちを抑える碧山。献身的な夫人の愛情を力に、史上初の快挙が現実味を帯びてきた。

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2018年11月22日のニュース