日大・内田氏 常務理事だけ辞任 他の役職継続…自浄作用なし

[ 2018年6月2日 05:30 ]

日大の内田正人氏
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 日大は1日、アメリカンフットボール部の悪質な反則問題で監督を退いた内田正人氏(62)が、5月30日付で常務理事職を辞任したと発表した。「学内外に多大な迷惑をかけたこと」が理由でこの日の理事会で承認した。また、弁護士7人からなる第三者委員会を5月31日付で設置。7月下旬に結果報告する予定とした。

 現在も都内病院に入院中の内田氏は、5月30日に面会に訪れた大学幹部に辞表を提出。この日の理事会は欠席し、辞任は全会一致で承認された。内田氏は同19日にアメフット部の監督から退くことを表明したが、大学の役職の辞任については「それは別問題」と否定していた。

 ただ、常務理事職は離れるものの、人事部長と34の運動部を統括する保健体育審議会の局長職にはとどまったまま。こちらは内規に基づいて6カ月の自宅待機となった。理事会も解任動議を発することなく、内田氏本人からの辞意を了承した。理事会後に文科省とスポーツ庁を訪れ経過報告を行った大塚吉兵衛学長は「第三者委員会と警察の捜査終結を待ち、規則に従って必要があれば懲戒手続きに入る」と説明。あくまで日大による解任、内田氏の自発的な辞任はなく、改めて双方の自浄作用のなさを露呈した。

 関東学生連盟が5月29日に出した処分では、日大に対する公式試合の出場資格停止について「抜本的なチーム改革・組織改革の断行」などを処分解除の条件としている。内田氏が保健体育審議会局長にとどまる現状の体制が、果たして「抜本的なチーム改革・組織改革」と見なされるのか。当事者たちの保身や後手ばかりが目につく一連の処分が、今後も議論を呼ぶことは間違いない。

 ◆内田 正人(うちだ・まさと)1955年(昭30)生まれ、埼玉県出身の62歳。日大豊山高―日大。卒業後、篠竹幹夫氏の下でコーチを務め、03年に監督就任。15年の勇退までに甲子園ボウルに4度進出も、いずれも関学大に敗れた。昨年監督に復帰し、チームを27年ぶり大学日本一に導いた。現役時代のポジションはセンター。

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