羽生に国民栄誉賞!最年少23歳、冬季五輪金で初 7・2授賞式

[ 2018年6月2日 05:30 ]

金沢市で行われたアイスショーに出演する羽生(C)Fantasy on Ice2018
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 安倍晋三首相は1日、韓国・平昌冬季五輪のフィギュアスケート男子で2大会連続の金メダルを獲得した羽生結弦(23)=ANA=に国民栄誉賞を授与することを決めた。授与式は7月2日に官邸で行う。個人では柔道の山下泰裕氏の27歳よりも若い史上最年少の受賞。スケート選手、冬季五輪金メダリストとしてはともに初の受賞となった。

 この日金沢市内でのアイスショーに参加した羽生は、日本スケート連盟を通じコメントを発表。「大変名誉ある賞をいただき、身に余る光栄です。皆さまの期待を背負い、まだ続く道を一つ一つ丁寧に感じながら、修練を怠ることなく日々前に進んでいきます」と決意を込めた。会見で授与を発表した菅義偉官房長官は「世界の歴史に残る快挙を成し遂げ、多くの国民に夢と感動を、社会に明るい希望と勇気を与えた」と理由を説明した。

 羽生は2014年ソチ五輪でフィギュア日本男子初の金メダル。昨年11月に右足首に大ケガを負いながらも復活し、2月の平昌五輪はフリーで4度の4回転ジャンプを跳ぶこん身の演技で再び金メダルに輝いた。フィギュア男子の五輪2連覇は66年ぶりの快挙だった。

 11年には出身地の仙台市のリンクで練習中に東日本大震災が発生し、避難生活を送った。苦難を乗り越えた偉業が国民に感動を与えたことも評価された。4月22日に仙台市で行われた祝賀パレードでは、市民やファンら約10万8000人が沿道を埋め尽くした。受賞コメントでも「この賞が被災地やスケート界にとって明るい光になることを願っております」とした。

 ≪東北高恩師歓喜「執念実った」≫羽生の国民栄誉賞授与決定に、東日本大震災で被災した地元・仙台のファンや関係者からは喜びの声が上がった。羽生が東北高時代にフィギュアスケート部顧問だった五十嵐一弥さん(72)は「ケガを乗り越え、人間の能力を超越するような演技をした強運と努力、執念が実った結果」と喜びを語った。

 ◆羽生 結弦(はにゅう・ゆづる)1994年(平6)12月7日生まれ、仙台市出身の23歳。4歳でスケートを始める。冬季五輪フィギュアスケート男子で14年ソチ大会、18年平昌大会連覇。14、17年世界選手権優勝。SP、フリー、合計全てで世界歴代最高記録を持つ。1メートル72、57キロ。

 ▼国民栄誉賞 1977年にプロ野球で本塁打世界記録を打ち立てた王貞治の功績を称えるため政府が創設。当初は広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与える顕著な業績を残した個人が対象だったが、2011年にサッカー女子W杯で初優勝した日本代表「なでしこジャパン」に贈る際、団体でも受賞できるよう表彰規定を変更。直近では将棋の羽生善治(47)と囲碁の井山裕太(29)に授与。これまでの受賞者は26の個人・団体。

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