貴乃花親方、理事長要請拒否 貴ノ岩への聴取「お断りします」

[ 2017年11月23日 05:30 ]

渋い表情で理事長室を出る貴乃花親方
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 横綱・日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)の平幕・貴ノ岩(27=貴乃花部屋)に対する暴行問題で、師匠の貴乃花親方(45=元横綱)が日本相撲協会の危機管理委員会の調査に“待った”をした。八角理事長(54=元横綱・北勝海)が22日、貴乃花親方に危機管理委員会の調査への協力を要請したが、貴乃花親方は警察の捜査を優先させたいとして断った。日馬富士の暴行問題は協会内にも余波が広がっている。

 貴乃花親方の姿勢は一貫して変わらなかった。幕下の取組が行われていた午後1時15分ごろ。関係者の車で会場入りした貴乃花親方は、中立親方(元小結・小城錦)に呼び止められ会場内の役員室に来るように告げられた。だが、巡業部の会議があったためいったん、巡業部室に入った。その後、改めて中立親方が巡業部に来て呼び出し。午後1時25分から約20分間、1階の役員室で八角理事長、尾車事業部長(元大関・琴風)、春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)ら執行部のメンバーと鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜)を交え話し合いを持った。

 午後1時50分すぎに役員室を出た貴乃花親方は大勢の報道陣に囲まれながら2階の巡業部へ。「お客さんがいるからやめて。ぶつかっちゃうから」と話しただけ。午後4時30分すぎに会場を後にする際も無言を通した。

 打ち出し後に取材に応じた春日野広報部長は協議内容について「理事長から危機管理委員会の調査に(貴ノ岩が)応じてくれるようにお願いしました。警察としては(貴ノ岩への聴取は)終わっている。(返事は)お断りします。そんな感じだった」と説明した。

 危機管理委員会は19日に両国国技館で日馬富士から聞き取りを行った。貴ノ岩に対しても警察の捜査に支障をきたさないように配慮しながら聴取する方針。だが、貴乃花親方から了承を得られていないため、理事長直々に要請する形となった。春日野広報部長は貴乃花親方への要望は「これが初めてではない」と明かした。協会関係者によれば、今後も協力を要請していくという。

 貴乃花親方は暴行発覚後の14日の相撲協会の聞き取りに対し、警察への被害届を取り下げないことを伝えた。また、その際に日馬富士側に対し民事訴訟など法的手段を検討することも示唆。貴乃花親方としては、真相究明を警察の捜査にゆだねたい意向で、今後、貴ノ岩が警察から再聴取を受ける可能性もあるため、そちらを最優先させたい考えのようだ。春日野広報部長は貴乃花親方が聴取を断った理由について「俺らの口からは言えない。お断りしますということだった」と困惑した様子で語っていた。

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