塚田陽、プロ9年目の初V!難コースも我慢「今週は僕が一番ドM」

[ 2016年6月6日 05:30 ]

父・憲司さん(左)、母・恵子さんと優勝トロフィーを手にする塚田陽

男子ゴルフツアー ツアー選手権森ビル杯最終日

(6月5日 茨城県笠間市 宍戸ヒルズカントリークラブ西コース=7384ヤード、パー71)
 難コースを制し、プロ初優勝をつかんだ。首位と4打差の12位から出た塚田陽亮(31=ホクト)が、7バーディー、2ボギーでこの日ベストスコアとなる66をマークし、通算2アンダーの282でプロ9年目にして悲願のツアー初優勝を飾った。これで大会は6年連続で初優勝者を生み出すこととなった。塚田陽は賞金ランク3位に浮上し、7月の全英オープンの出場権も獲得した。
【最終R成績】

 プロ9年目にして味わう勝利の味。クラブハウスで吉報を聞いた塚田陽は、あふれる涙を止められなかった。表彰式が行われる18番グリーンへ向かう道中、同い年の池田勇太から「やっと同じステージに立ったな」と祝福された。「うれしかった。この難しいコースでこんな素晴らしい結果が出るとは思っていなかった」としみじみと語った。

 スタートホールから優勝への予兆はあった。第2打をグリーン奥に外し、アプローチがトップしてグリーン左のラフへ。ピンチを招いたが、SWで直接放り込んでチップインパーを奪うと、3番パー3でもグリーンの外から20ヤードを放り込んでバーディー。「あれはでかかった」と波に乗った。

 4日間とも難易度1位だった17番は、1Wで330ヤードをかっとばしてフェアウエーを捉えると、残り113ヤードの第2打をAWで3メートルにつけるバーディー。優勝を決定づけた。通算アンダーパーは塚田陽と2位ヘンドリーだけ。難セッティングに、我慢のゴルフで見事に打ち勝った。「ドMじゃないとゴルフはできない。今週は僕が一番ドMだったということ」と誇らしげに胸を張った。

 中3の時に一念発起して渡米。フロリダ州のIMGアカデミーの門を叩き、ポーラ・クリーマー(米国)らと4年半にわたって腕を磨いた。「英語が話せるのは他の人よりアドバンテージ」とツアーでも外国人選手と積極的にコミュニケーションを図り、いつか海外メジャーに出場することを胸に秘めていた。

 この優勝で賞金ランクは3位に浮上。今大会終了時点の同2位までに全英オープンの出場権が与えられるが、1位の金庚泰が昨年賞金王の資格ですでに権利を持っているため、塚田陽に権利が繰り下がった。31歳でついにつかんだ夢舞台への挑戦権。だが、日本ツアーの現状を憂いてもいる。「日本のツアーですし、日本人が盛り上げられるようにしたい」。その表情は早くもメジャーを制した自信にあふれていた。

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