まさかの33点差 ウォリアーズ連勝 記録づくめファイナルに

[ 2016年6月6日 13:13 ]

28得点を挙げたウォリアーズのグリーン

 NBAファイナルの第2戦が5日にカリフォルニア州オークランドで行われ、3日に亡くなったムハマド・アリ氏(享年74)に黙とうを捧げたあとにティップオフ。地元のウォリアーズが110―77(前半52―44)でキャバリアーズを下して連勝した。

 ウォリアーズは西地区準決勝ではサンダーに1勝3敗と追い込まれて崖っ縁に追い込まれたが、ファイナルでは勢いを取り戻して2年連続4回目の優勝にあと2勝。スティーブ・カー監督(50)は「NBAではこんなこと(大差の試合)も起こる。しかしクリーブランドに行けばそうはいかないことも理解している」と語ったが、33点差の勝利はファイナルでのチーム記録となった。

 2日の第1戦でも104―89で快勝。2戦合計の「プラス48点」は、1950年のロイヤルズ(現キングス)と61年のセルティクスの記録(42点)を上回るファイナル史上最大点差で、まさに記録づくめの2試合となった。

 序盤はステファン・カリー(28)とクレイ・トンプソン(26)のシューター2人がボールを持つたびにダブルチームでカバーされたが、今季13回のトリプルダブルを達成している万能フォワードのドレイモンド・グリーン(26)がその間隙をついて5本の3点シュートを成功。34分の出場で28得点を稼いで相手ディフェンスをかき回した。

 グリーンは7リバウンドも記録。ウィルト・チェンバレン、ネイト・サーモンド、クライド・リーに続いてチーム史上4人目のプレーオフ通算500リバウンド(505)も達成した。プレーオフで20試合連続のスティール(第2戦では1つ)も記録している同選手は初戦でも16得点11リバウンド7アシスト。フォワードとしては小型(2メートル1)ということもあって、ミシガン州立大の選手として迎えた12年のドラフトでは2巡目、全体35番目という遅い指名だったが、4季目で迎えた2度目のファイナルでは2戦を終えた段階でMVPへの最短距離に立っている。

 カリーは第3Qの3分18秒に4つ目の反則をコールされてファウルトラブルに見舞われたが、それでも25分で18得点。トンプソンも17得点をマークして勝利に貢献し、“スプラッシュ・ブラザーズ”も計8本の3点シュートをリングに沈めた。

 キャバリアーズは第1Qこそ21―19とリードしたが、第2Q以降は23―33、18―30、15―28とリズムをつかめないままに完敗。第1Qで無得点だったレブロン・ジェームズ(31)は第2Qと第3Qだけで19得点を稼ぎ、この試合では8リバウンド9アシスト4スティールと孤軍奮闘を見せたが、ターンオーバーも8回犯すなどミスも目立った。

 チームのFG成功率はウォリアーズの54・3%に対し35・4%。東地区準決勝(対ホークス)でさく裂した3点シュートも23本放って5本しか決まらず、敵地オークランドでの2試合はいずれも精彩を欠いた。

 NBAファイナルで0勝2敗から逆転優勝を飾ったのは69年のセルティクス(対レイカーズ)、77年のトレイルブレイザーズ(対76ers)、06年のヒート(対マーベリクス)の3チームのみ。キャバリアーズは今季を含めて3回のファイナルを経験しているが通算成績は2勝10敗と大舞台では空回りが続いており、地元クリーブランドで行われる第4戦(8日)と第5戦(10日)でどこまで巻き返せるかが注目されるところ。ただし第2戦ではビッグ3の一角、ケビン・ラブ(27)が第2Qにウォリアーズのハリソン・バーンズ(24)のひじを頭部に受け、めまいを訴えたために後半は欠場。NBAが義務づけている「脳振とうプロトコル(復帰プログラム)」の対象となったために今後の出場は微妙になってきた。ガードのカイリー・アービング(24)も33分出場しながら10得点。フィールドゴールは14本中5本しか決まっておらず、ジェームズを支えてきた2人に不安を残す一戦となった。

 <第2戦の主なデータ>

 ▼歴代最多の73勝(9敗)を挙げたウォリアーズは今ポストシーズンで14勝目(5敗)。今季は通算で87勝となり95~96年シーズンにブルズがマークしていたシーズン最多勝利数に並んだ▼ウォリアーズのセンター、アンドリュー・ボーガット(31)は第1Qだけで4ブロックショットをマーク。5つを記録した05年のベン・ウォーレス(ピストンズ=対スパーズ)以来、ファイナルでの1クオーターの成績としては多い本数となった▼キャバリアーズのジェームズは点差が開いたために第4Qはベンチ。得点は19に終わり、ポストシーズンで続けていた20得点以上の連続記録は25試合でストップした。

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