山県10秒06 リオの主役だ!男子100日本歴代5位&自己新

[ 2016年6月6日 05:30 ]

男子100メートル第2レースで、山県(左端)は桐生(同4人目)を破って1位

陸上布勢スプリント

(6月5日 コカ・コーラウエストスポーツパーク陸上競技場)
 男子100メートルは山県亮太(23=セイコーホールディングス)が自己ベストを4年ぶりに更新する日本歴代5位の10秒06をマークし、10秒09だった桐生祥秀(20=東洋大)に競り勝った。向かい風0・5メートルで、向かい風条件での国内最高タイム。同じレースで複数の日本選手が10秒0台で走ったのは初めてで、国内史上最もハイレベルな争いを制して、短距離戦線の主役奪回を印象付けた。リオデジャネイロ五輪選考を兼ねた24日からの日本選手権(名古屋市・パロマ瑞穂スタジアム)で2人は再び激突する。

 スタートで飛び出したライバルを残り10メートルでかわした。向かい風0・5メートルの条件ながら、山県が日本歴代5位の10秒06をマーク。桐生も10秒09で走った。同じレースで複数の日本選手が10秒0台で走るのは初めてのこと。すなわち国内史上最もハイレベルのレースを、山県が制した。

 「1本目負けて2本目で勝てたのはうれしい。桐生君も悪いタイムじゃない。(10秒)0台の彼に勝てたのはうれしい」

 この日最初のレースでは桐生の後じんを拝した。向かい風0・6メートルの条件で、桐生が10秒21、山県が10秒23だった。約2時間半の休憩の間に、ビデオを見て修正。早めにトップスピードに上げたことで勢いが長く保たれ、結果的に終盤の逆転劇につながった。5月8日のセイコー・ゴールデングランプリ川崎でも桐生を下しており「最後まで減速しないのが僕の強み。落ち着いて走れば、並べるか差せると思った」と手応えを口にした。

 5月21日の東日本実業団選手権で10秒08を出したばかり。リオ五輪競泳男子400メートルリレー代表の古賀淳也の弟で、昨年8月から山県を指導する古賀友矩コーチ(26)はこのオフ、練習と練習の間の休憩を短くした。「例えば12分休んでいたものを9~10分にしました」。より負荷をかけた毎日を過ごしたことが、この日の2本目に表れた。

 以前の自己記録10秒07は12年ロンドン五輪予選で出したもの。当時は日本のエース格だった。だが13年に桐生が10秒01を出し、立場が逆転。「この4年間、本当に長かった」という言葉には重みがある。夢の9秒台、五輪の決勝へ。動きだした時計の針はもう止まらない。

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2016年6月6日のニュース