エディーJ 米国に逆転負けも収穫!主力温存&戦力封印で接戦

[ 2015年7月26日 05:30 ]

<日本・米国>前半終了間際、トライを決める山田

ラグビーパシフィックネーションズ杯第2戦 日本代表18―23米国代表

(7月24日 米カリフォルニア州サクラメント)
 手応えあり、課題ありの1敗――。日本代表は米国代表と対戦し、18―23で逆転負けを喫した。9月開幕のW杯1次リーグで対戦する相手に、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC=55)は若手中心のメンバーを送り出し、戦術面ではW杯本番用のプレーを封印。その中で一時はリードを奪うなど手応えを得た一方、基礎的なぶつかり合いでは苦戦。この黒星を糧に、10月11日の対戦ではリベンジを果たす。

 「時には負け戦もある」。ジョーンズHCが会見の最後に発した言葉が、この試合を端的に表現していた。主力選手を隠し、W杯用の戦術を封印して臨んだ一戦。結果と内容に一定の満足感を得ながらも、本番へ向け新たに課題も見つかった。

 エディージャパンの攻撃スタイルは「アタックシェイプ」と呼ばれる。FWもバックスも決まったポジションを常に取り、プレーの選択肢を保った状態でボールを前に運び、相手ディフェンスを崩す手法だ。前半はこれを封印。ボールをワイドに回し、キックも多用。普段はしない攻撃を続けたが、それでも11―9とリードして折り返すと、後半にシェイプを解禁。CTB松島や山中が相手ラインの裏へ抜け出すシーンにつなげた。司令塔のSO立川も「シェイプができれば相手は的を絞れていなかった。テンポが上がり、ジャパンのアタックができた」とはっきり手応えをつかんだ。

 一方で密集では互角以上の体格を誇る相手選手に食い込まれ、反則を連発。自陣で犯し、前後半計6PGを決められたのが最大の敗因だ。FB藤田も判断ミスから反則を犯し、相手にPGを与える隙を見せた。FBでは代表初先発だった21歳は「判断ミスでPGを与えたのが反省点」。フィジカル強化に加え、若手選手が冷静な判断を保つことが今後の課題になる。

 会見で「タッチジャッジはいたのだろうか。W杯ではいると思うが、ワールドラグビー(国際統括組織)に確認したい」とジョークを交えて話したジョーンズHC。相手のオフサイドを何度も見過ごされたことに、怒りを内に秘めるように話した。とはいえアウェーの空気、ジャッジも、W杯本番で起きないとは限らない。その逆境をどう乗り越えて、勝利につなげるか。「いろいろと学べた。なのでポジティブに捉えている」。10月11日の勝利のみが、この黒星を意味あるものに変える。

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2015年7月26日のニュース