松山 東北に喜びを――熱中症に耐えて69 7差もV諦めん

[ 2015年7月26日 05:30 ]

熱中症気味の松山は氷のうを頭に乗せてフェアウェーを歩く

男子ゴルフツアーダンロップ・スリクソン福島オープン第3日

(7月25日 福島県西郷村 グランディ那須白河ゴルフクラブ=6954ヤード、パー72)
 23位から出た松山英樹(23=LEXUS)は5バーディー、2ボギーの69とスコアを伸ばしたが、通算10アンダーの206で25位と順位をわずかに下げた。熱中症に悩まされながらも、大学時代を過ごした東北のファンを喜ばせようと意地のアンダーパーをマークした。66をマークした宋永漢(24=韓国)が通算17アンダーで首位に立った。
【第3R】

 最後は意地だった。18番パー5。松山はフェアウエーからピンまで残り256ヤードの第2打で、アゲンストの風を切り裂くように3Wで20メートルに2オン。イーグルトライは1メートルオーバーしたが、返しを沈めてバーディーで上がり、グリーンを取り囲んだ観衆からは割れんばかりの拍手と歓声が送られた。「1打でもいいスコアで回ってギャラリーの方に喜んでもらいたかった」。東北を元気づけたい一心だった。

 4番でグリーン左ラフからのアプローチを1メートルに寄せてバーディーを奪うと、5番は右手前から5メートルをねじ込んで連続バーディー。しかし、8番パー3で1・5メートルのパーパットを外すなど、短いパットがカップに嫌われる場面が相次いだ。

 前週の全英オープン開催地セントアンドリュースは大会期間中の平均気温が13度と冷え込んだが、この日の福島は気温30度を超え、その寒暖差は実に17度。急激な気温の変化に体が悲鳴を上げたのか「軽い熱中症みたいな感じだった。朝の段階ではそうではなかったけど(スタート前の)練習場の途中からちょっとおかしくなった」と振り返った。ラウンド中は頭部に氷のうを当てたり、水分をこまめに補給するなどし「14番くらいから良くなってきた」とそのホールは第2打を2メートルにつけてスコアを伸ばした。

 ホールアウト後、テレビ解説を務める青木功から「あすは63くらい(で回る)か?」と問われると「いえ、もっと」と言い切った。頼もしい言葉に青木も「爆発して60でも目指して頑張りなさい。それがお前の役目だ。ヒデならできるよ」と太鼓判。松山は「(優勝には)10アンダーくらいが必要。第2日のようなアイアンショットを打ってパターが入ればチャンスはある」と前を向いた。首位とは7打差。だが、逆転のイメージは頭の中にある。

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