パナソニック2季連続3度目V WTB山田3度目MVPで有終

[ 2015年2月2日 05:30 ]

<ヤマハ発動機・パナソニック>V2を達成し、表彰台で喜びを爆発させるパナソニックフィフティーンと関係者

 「ジャパンラグビー トップリーグ プレーオフトーナメント LIXIL CUP 2015」は決勝が行われ、パナソニックが30―12でヤマハ発動機を破り、2季連続3度目の優勝を飾った。WTB山田章仁(29)は前半28分に40メートル独走トライを奪うなど活躍し、プレーオフMVPを獲得。パナソニック3度の優勝全てでプレーオフMVPを獲得した「持っている男」が、世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」挑戦、そして自身初のW杯出場へ向けて弾みをつけた。

 1年前とは、また違った優勝の味だった。前回王者としてライバルの突き上げに遭い、レギュラーシーズンでは計3敗。それでも最後は頂点に立った。SH田中、CTB霜村らとともに男泣きしたフッカー堀江主将は「どのチームも、うちを倒そうと来る中でどんな場面でも我慢できた。今年の優勝には価値がある」とV2をかみ締めた。

 そして大舞台で頼もしさを増したのがWTB山田だ。前半28分、SOバーンズの背後を走ってパスを受け、防御ラインを突破。正面に対峙(たいじ)した日本代表FB五郎丸を左ステップで一瞬でかわすと、約40メートルを独走してトライし「勝負しないといけない場面だった」と話した。

 前半22分にも約40メートルの独走から慣れない左足キックでボールを転がし、バーンズのトライをアシスト。終盤にはケガ人が続出し「練習したことがない」という外側センターでもプレー。後半36分には自身のタックルが勝利を決定づけるトライにつながり、3度目のプレーオフMVPも獲得した。「たまたま。周りがいいプレーをしてくれたので」と照れくさそうに感謝したが、1万6000人超の観客を魅了した。

 7カ月後に迫ったW杯イングランド大会。11年の前回大会では落選しており、懸ける思いは人一倍強い。代表では藤田(早大)らとポジションを争っておりレベルアップを求めている。12年、アメリカンフットボールとの二刀流に挑戦したのもその一環。チーム練習以外に週1回は東京のトレーニング施設で他競技のアスリートとともに体を鍛えるのも、全てはW杯のため。努力は身を結びスーパーラグビーのウエスタンフォース(オーストラリア)入りも決定した。今週中にも渡豪予定で「日本人の可能性を示したい」と宣言した。

 05年の短期コーチを皮切りにチームとの関係を深め、今季から指揮を執るロビー・ディーンズ監督も「継続して成長している選手」と山田を称えた。日本選手権で2季連続の2冠を目指すチームに最高の置き土産を残し、9月、イングランドの地を踏む。

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