エディーJ金星逃す “変化アタック”残り3分までリードも…

[ 2014年11月9日 05:30 ]

<日本代表・マオリオールブラックス>マオリオールブラックス・テイラー(右)のタックルを振り切る日本代表マレ・サウ

リポビタンDチャレンジカップ2014

(11月8日 秩父宮)
 ジャパンXV(日本代表)はニュージーランドの先住民族マオリがルーツの選手で構成されるマオリ・オールブラックスと第2戦を行い、18―20で敗れた。1日の第1戦(神戸・ノエビア)で21―61と40点差をつけられた相手と接戦。3点リードの後半37分に逆転トライを奪われたものの、世界ランク6、7位相当の実力を持つとされる強豪を最後まで追い詰めた。日本代表は8強入りを目指すW杯イングランド大会(来年9月開幕)へ手応えをつかみ、9日に欧州遠征へ出発する。

 3点リードで迎えた残り3分。詰まっていると思っていた世界との差が、まだまだ存在することを思い知らされた。日本は自陣奥深くに蹴り込まれると、相手はラインアウトで意表を突く素早い超ロングスローを入れて試合を再開した。その距離は実に40メートル。ほぼ無警戒だった日本はディフェンスの人数が足りず、逆転トライを奪われた。最後の反撃も及ばずにノーサイド。赤く染まった秩父宮はため息に包まれた。

 ただ、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)の表情は明るかった。「きょうのパフォーマンスは誇りに思いたい。W杯に向けて、この試合で得た自信は多い」。非テストマッチとはいえ、格上の相手を徳俵にまで追い詰めた。副将のFB五郎丸も「この数日だけではなく、これまで積み上げてきたものが出た」と手応えを語った。

 第1戦はキックを使わずボールを保持して攻める戦術を取り、ミスを相手に付け込まれる形で大敗した。この日は“足かせ”を取り払い、状況に応じたアタックで前半38分にはWTB山田を走らせトライ。80分間走り続けた前回よりもディフェンスの動きも改善し、五郎丸も「省エネで戦えた。FW陣には申し訳ないですけど、先週よりも全然楽でした」と笑った。

 フッカー堀江ら主力8選手が不在の中で、若手の活躍も光った。特に5月のサモア戦以来、代表戦2度目のアウトサイドセンターでの先発となった松島が、持ち味の敏しょう性で何度も相手ラインを突破。最後はWTBもこなすなど、大きな役割を果たした21歳は「(W杯初戦の)南アフリカのような大きな相手でも、もっと低く当たれば通用する」と胸を張った。

 残り3分の差を詰めるため、五郎丸は「選手が日頃から、どれだけW杯を意識してやれるか」と言った。強豪相手とは、これがW杯前最後の試合になるかもしれない。W杯初戦まで315日。トップリーグを含むラグビー界全体が試されている。

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