香生子リベンジ 女子200平で国際大会初の金に「しみじみ」

[ 2014年8月25日 05:30 ]

パンパシ水泳女子200メートル平泳ぎ決勝 2分21秒41で優勝した渡部香生子

水泳パンパシフィック選手権最終日

(8月24日 オーストラリア・ゴールドコースト)
 女子200メートル平泳ぎで渡部香生子(17=JSS立石)が2分21秒41で初優勝した。金藤理絵(25=Jaked)も2分21秒90の2位に入った。男子200メートル平泳ぎは小関也朱篤(22=ミキハウス)が2分8秒57で100メートルと2冠。小日向一輝(19=セントラル)も2分10秒14で銅メダルを獲得した。同200メートル個人メドレーでは萩野公介(20=東洋大)が1分56秒02で勝ち、400メートルに続く2冠を達成した。瀬戸大也(20=JSS毛呂山)は1分57秒72で3位だった。25日のオープンウオーターは水質などの理由で中止となり、日本は過去最多7つの金メダルを含む19個のメダルを獲得して大会を終えた。

 笑顔の金メダルだ。渡部は優勝を確認すると右手で力強いガッツポーズをつくった。主要国際大会で初の頂点。表彰台の真ん中に立ち、スマイル全開で観客席に手を振った。100メートルは0秒04の僅差で2位。得意の200メートルでリベンジを果たし、「しみじみとうれしさを感じた」と感慨に浸った。

 タフなレースをものともしなかった。4位だった200メートル個人メドレーを泳いだ約50分後、本命種目のスタート台に立った。前半はゆったりとした伸びのある泳ぎで100メートルは3位でターン。残り50メートルから一気にペースを上げて、トップを奪うと最後まで力強く泳ぎ切った。「きょうは200メートル個人メドレーもあったので不安な面もあったが、金メダルを獲れてうれしい」と声を弾ませた。

 今季は「つらいときも頑張れるようになった」と体力が向上。竹村コーチの指導で苦しい練習でも笑顔をつくることを心掛けた。7月に行った初めての高地トレーニングでも「苦しいときもあったけど、いつか終わる」と開き直りメニューをこなした。筋力トレーニングで体も変化。「半袖を着るとパンパンだし、制服もボタンを締めると首回りがきつくて…」と女子高生ならではの悩みもあるが、練習で培ったものが結果をもたらした。

 2月、オーストラリア・ニューサウスウェールズ選手権では3日間17レースを経験したことが生きた。この日は200メートル個人メドレー、200メートル平泳ぎ、400メートルメドレーリレーの3種目5レースに登場。「五輪や世界選手権に比べればそれほどでもない」と言い聞かせ、気持ちで負けなかった。表彰式直後のメドレーリレーでも渡部自身は4位から3位に順位を上げて引き継いだ。「これに満足せずしっかり練習していきたい」。香生子がリオデジャネイロ五輪への確かな手応えをつかんだ。

 ≪金藤「悔しい」銀≫25歳の金藤が2位に入り、主要国際大会で初めてメダルを手にした。後半ぐんぐんと追い上げ、渡部とワンツーを達成。「金メダルを獲りたかった気持ちもあった」と悔しさものぞかせた。昨年、一度は引退を宣言していたものの、今季も現役続行を決断したベテランは広島出身。広島市の土砂災害に心を痛めた中で、「何もできない自分がもどかしくて、優勝して頑張りましょうというメッセージを送りたかった。それができなくて悔しい」と故郷への思いを口にした。

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