日本、米国下しソフト世界選手権連覇!3連投上野が完投

[ 2014年8月25日 05:30 ]

決勝の米国戦に先発し力投する上野

ソフトボール女子世界選手権最終日

(8月24日 オランダ・ハーレム)
 23日の準決勝で米国を撃破した日本は、3位決定戦を勝ち上がった米国と再び決勝で対戦。初回に3点を先制すると、決勝トーナメント3戦連続の先発となったエース上野由岐子(32=ルネサスエレクトロニクス高崎)が要所を締める投球で米国の反撃を許さず、4―1で勝ち、初の大会連覇を達成した。野球日本代表「侍ジャパン」と同じロゴのユニホームを着用し、初の欧州開催を制したことは20年東京五輪での競技実施に強烈なメッセージとなった。

 最後の打者を三振に仕留めると右拳を突き上げた。世界の頂点には今も日本が、上野がいる。そう印象付けるのには十分だった。前日の準決勝で6―1で一蹴した米国との再戦となった決勝戦。ストライクゾーンの微妙な判定に苦しみ、初回から毎回走者を背負いながら、緩急自在の投球で、1失点で切り抜けた。代表を辞退した10年大会を除き、08年北京、12年大会と出場した世界大会は3連続で“胴上げ投手”となった。

 万全には程遠い状態だった。今季の日本代表は3大会をこなしながら、上野の登板は1イニングだけ。左膝に故障を抱え、調整もままならなかった。それでも「若い投手に教えるのも仕事」と、ベンチでは試合中も“教室”を開き、アドバイス。「投げられない状態ではない。全てを出し切る覚悟だった」と決勝トーナメントでは3連投3連勝。最後は身をもって、世界一の意味を伝えた。

 打線もサポートした。初回、3四球で満塁の好機に、初代表の佐藤らが2本の適時打を浴びせ、3点を先制。4回には2死から北京五輪代表の西山らの3連打で追加点を挙げた。堅い守備も含め、ベテランと若手ががっちりとかみ合った。宇津木監督は「チームがよくまとまった」と話し、「五輪を意識して戦った。世界にソフトボールの魅力を伝えられたと思う」と感慨に浸った。

 五輪除外の理由の一つとされたのは、米国が世界選手権を7連覇した“1強”の弊害。初の欧州開催で米国に奪冠を許せば、五輪復帰への道のりにも影響を及ぼしかねなかった。その中での連覇。チケットが完売したこの日、20年五輪開催の国が存在感を示したことには、大きな意味があった。

 ▼上野由岐子の話 早く点を取ってくれて楽になった。2連覇できて良かった。五輪を意識して戦ったし、若手に伝えていく役割がある。その姿を見せられた。日本が勝ち、五輪復帰へのアピールにもなったと思う。

 ▼宇津木麗華監督の話 夢じゃないかと思った。すごくうれしい。日本の強さは本物だと思う。10連勝で2連覇なんて簡単にできない。上野、山田、西山の3人がチームをよく引っ張った。

 ▼西山麗の話 前回とはまた違った優勝の喜びがある。野手では最年長なので、いろいろな経験をさせてもらった。とにかく連覇できて良かった。

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