桃子 涙の復活V!3年ぶり、3打差逆転「早く勝ちたかった」

[ 2014年8月25日 05:30 ]

CATレディース最終日、3年ぶりの優勝を決め、笑顔でガッツポーズをする上田

女子ゴルフツアーCATレディース最終日

(8月24日 神奈川県箱根町 大箱根カントリークラブ=6701ヤード、パー73)
 桃子が3年分のうれし涙だ。首位と3打差の2位から出た上田桃子(28=フリー)は5バーディー、1ボギーの69をマーク。通算9アンダー、210で、首位で出た森田理香子(24=リコー)を1打差でかわした。米ツアー会員として出場した11年のミズノクラシック以来、3年ぶりとなる日米通算10勝目を挙げた。
【最終R成績】

 泣かないと思っていた。だが、優勝スピーチでは自然と目が潤んだ。久しぶりの光景に上田は声を詰まらせた。「3年間、勝てるチャンスが少なかったので、どうしていいか葛藤があった。いつも優勝している選手を横で見ていて、早く勝ちたいと思っていた」。かつての賞金女王が一勝の重みをかみしめた。

 3打差を追ってスタートし、3番で2メートルのバーディーパットを沈めて1打差に迫った。4番は残り136ヤードの第2打を9Iでピン50センチにピタリ。ここで森田に並んだが、その森田が5番でバーディーを奪い返し、1打を追って後半に突入した。10番で森田がボギーを叩いたことで追い付くと、12番パー3は「自分の武器だと思っていたので今年(バッグに)入れ直した」という11Wで2メートルにつけてバーディー。単独首位に立ち逃げ切った。「相手が理香子ちゃんだから最後まで気を抜かずにやれた」。新旧女王対決が持ち前の強気に火をつけた。

 07年に賞金女王に輝くと、米ツアーも兼ねるミズノクラシック優勝の権利を使って翌年から米ツアーに参戦した。しかし、優勝は日本で行われた11年の同クラシックのみ。「海外に行って常に何かを求めていて、実際には足元が見えなくなっていた」。海外で勝つことはできず、昨年は米ツアーのシード権を失うなど不振にあえいだ。今季7年ぶりに日本ツアーに復帰。だが、前戦まで18試合で予選落ちが6回と現実は甘くなかった。

 日本に帰ってきて弱いと思われるのが何よりつらかった。プライドも邪魔をした。転機は4月、「一番頑張りたいと思っていた」という地元・熊本で開催されたKKT杯バンテリン・レディースで予選落ちだった。「あそこで今年は捨てようと自分を切り替えた。自分を固めることにした」。目先の結果を求めず、自分のゴルフを見つめ直した。そして、今週、自分の原点である「攻めるゴルフ」を前面に出した。

 今大会前には昨年まで共に戦った宮里藍ら米ツアーを主戦場とする選手が、今季は成績を残せていないのを気に掛けていたという。「米ツアーは独特の苦しさがある。だから、成績が悪いからといって弱いと思われたくない」。米国で苦しんだ自らがそのポテンシャルを証明してみせた。

 セレモニーを終えて臨んだ会見では「涙は出ませんでした」としらを切った?そして、「これで終わりじゃない」と感慨に浸るのは一瞬にとどめた。今季は厳しくても、今後は03年に不動裕理が達成した年間10勝超えを狙う。「残りのゴルフ人生はそれを目標にやりたい」。桃子のゴルフ人生第2章が始まった。 

 【勝者のクラブ】▼1W=キャロウェイ・X2ホットプロ(ロフト角9度、シャフトの長さ45インチ)▼3W=同XホットプロUS▼5W=同XホットプロUS▼11W=同X2ホット▼5I~PW=同レガシー08▼ウエッジ=同XフォージドWG(50、54、60度)▼パター=オデッセイ・トライホット3

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