駒大 逃げ切り15年ぶり出雲制覇、ユニバ銅1区中村快走

[ 2013年10月15日 06:00 ]

1区で力走する駒大の中村匠吾(中央)

出雲全日本大学選抜駅伝

(10月14日 島根・出雲大社正面鳥居前~出雲ドーム前 6区間44・5キロ)
 駒大が2時間9分11秒の大会新記録で15年ぶり3度目の優勝を飾った。今夏のユニバーシアード男子ハーフマラソン銅メダルの1区・中村匠吾(3年)が23分25秒で2位に20秒差をつける快走。2区以降で差を広げ余裕で逃げ切った。3人が区間賞をマークし、昨年の青学大の大会記録2時間9分41秒を30秒更新。6年ぶりの箱根駅伝制覇と史上4校目の学生駅伝3冠へ、まず1冠を制した。東洋大が1分6秒差の2位。42秒差の3位に今年の箱根駅伝Vの日体大が入った。

 2度目のスパートが、レース全体の流れを決めた。距離8キロの1区。駒大・中村は3・8キロで1度スパートし、先頭集団を7人に絞り込むと、残り1キロで再び仕掛けた。「スローペースだったので1回目は様子見。2回目が勝負のスパートでした」。2位・日体大に20秒差、最初のスパートで遅れたライバル東洋大には40秒差。「トップに立てば強さが出る」(大八木弘明監督)チームにとって理想の展開だった。

 長丁場の全日本大学駅伝や箱根駅伝では強さを発揮する駒大も、スピード勝負の出雲では過去14年間勝ちなし。昨年も1、2区で出遅れたとあり、大八木監督は「エース区間でも走れる力が付いてきた」と期待する中村を1区、好調の1年生の中谷を2区に置いた。中村は2年生だった昨年9月に左股関節を痛め、出雲と全日本を欠場。だが、今年は箱根で3区3位と好走し、5月に1万メートルで28分5秒79の自己ベストをマーク。関東インカレ2部1万メートル優勝、6月の日本選手権1万メートルでも5位と結果を出し続けた。初の海外となったユニバはハーフマラソンで不本意な銅メダルも、疲労が取れた駅伝初戦では快走。「ある程度の差をつけないと1区に起用してもらった意味がない。良かったです」と先行逃げ切り策を的中させ胸を張った。

 2区で中谷がリードを広げ、3区は村山(3年)が区間新、アンカー窪田(4年)も区間賞。選手層の厚さも見せつけ、三大駅伝初戦にして史上4校目の3冠が見えてきた。大八木監督は「まずは3連覇が懸かっている11月の全日本」と慎重な姿勢を崩さなかったが、中村は「出雲で勝ったからには狙っていきたい」と意気込んだ。

 ◆中村 匠吾(なかむら・しょうご)1992年(平4)9月16日生まれ、三重県四日市市出身の21歳。小5で陸上を始め、上野工(現伊賀白鳳)では3年連続で全国高校駅伝出場。自己ベストは5000メートル13分50秒38、1万メートル28分5秒79。経済学部3年。1メートル73、53キロ。

 ▼学生駅伝3冠 10月の出雲、11月の全日本、正月の箱根を指し、全ての大会を制したのは90年の大東大、00年の順大、10年の早大の3校のみ。しかし、3校とも箱根の往路か復路で優勝を逃しており、箱根完全制覇を含めた3冠はまだない。

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