薗田、大会新V!「何だその腹は」ダルの“カツ”で成長

[ 2013年7月8日 06:00 ]

長嶋茂雄大会名誉会長(左)から優勝カップを受け取る薗田

スポニチ後援男子ゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミー・カップ最終日

(7月7日 北海道千歳市 ザ・ノースカントリーゴルフクラブ=7096ヤード、パー72)
 23歳の薗田峻輔(フリー)が大会新の通算20アンダー、268で10年のミズノ・オープン以来となるツアー通算2勝目を挙げた。首位から出て6バーディー、1ボギーの67をマークし、逃げ切った。逆転を狙い11位から出た松山英樹(21=東北福祉大)はアウトで30をマークし66と追い上げたが、通算16アンダーの4位タイに終わり、獲得賞金1億円に約60万円届かなかった。
【最終成績】

 3年前にプレーオフで敗れた大会で、リベンジを果たすと、薗田はガッツポーズを決めた。オフに左膝半月板を損傷した影響で出遅れ、今季は不安のスタートとなったが、4戦目で訪れた最大のチャンスを生かして優勝。「いろんなところにしみますね…。うれしいの一言。ちゃんとゴルフができるのも実感できているし」と感慨深げに語った。

 2位に2打差でスタートし、3番でバーディーを先行させた。5番は4メートル、6番は1メートル、8番は3メートルのチャンスをきっちり決めた。この日のパーオン率は94・44%で1位。ショットも好調な上、パットもさえた。先週のミズノ・オープン最終日の最終18番で4パットして「みんなの前で恥をかいた。何かを変えなければ」と新たな取り組みを行った。パットの際は右手親指の付け根に力を入れて、しっかりとグリップした。すると、ストロークは安定し平均パットは先週1・80の49位から今週1・64で6位まで復調した。

 10年オフにアパレルのアンダーアーマーなどを販売する「ドーム」と契約。都内の同社所有のジムで大リーグ、レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)と出会い心を入れ替えた。薗田の腹回りを見たダルビッシュから「スポーツ選手なのに何だその腹は!?」と指摘された。そこから、見た目はそれほど変わらないが、インナーマッスルを鍛えた。ケガもあって今オフは週6度ジムに通い、午前10時から午後5時までリハビリをしながらトレーニングも続けた。「フィジカルは絶対的に成長した」と自負する。また「敬語の使い方も知らないのか」とも注意された。石川遼の先輩として高校時代から注目され、言葉遣いも乱暴になったが、この日は取材にも丁寧に対応する姿があった。

 デビューした10年は5試合目で初優勝を飾り、賞金ランク10位に食い込んだ。その後、2勝目まで3年を要した。だが、3日目の61とこの日の大会レコードで復活をアピール。「複数優勝したい。1勝して初めて言えることだから。2勝、3勝したい」。23歳の実力派が、若手の活躍が目立つ男子ツアーの主役に割って入る。

 ▼男子ツアー若き実力派
 ☆21歳・松山英樹 今年4月のプロ転向後つるやオープンとダイヤモンド・カップで優勝。海外メジャーの全米オープンでも10位と健闘するなど国内ツアーを引っ張る。

 ☆21歳・石川遼 松山とは同学年のライバル。ツアー通算10勝を挙げた昨季までツアーをけん引した。今季は米ツアーを主戦としている。

 ☆23歳・小平智 薗田とは中3以来の友人。メジャーの日本ツアー選手権でツアー初優勝を飾るなど今季賞金ランク2位。

 ☆23歳・藤本佳則 昨年デビューを果たし、プロ5戦目の日本ツアー選手権で優勝。賞金ランク5位。「ビリケン」の愛称でも親しまれる注目株。

 ◆薗田 峻輔(そのだ・しゅんすけ)1989年(平元)9月26日、東京都大田区出身の23歳。3歳でゴルフを始め、中学2年から2年間はオーストラリアにゴルフ留学。杉並学院高を経て明大2年の09年12月にプロ転向。10年のミズノ・オープンでツアー初優勝。生涯獲得賞金1億6158万3860円。1メートル77、88キロ。

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