マリー初V!ジョコビッチ撃破、77年ぶり英国勢快挙

[ 2013年7月8日 06:00 ]

男子シングルスで英国人として77年ぶりに優勝し、カップを掲げるマリー

ウィンブルドン選手権最終日

(7月7日 英ロンドン・オールイングランド・クラブ)
 男子シングルス決勝で第2シードのアンディ・マリー(26=英国)が6―4、7―5、6―4で第1シードのノバク・ジョコビッチ(26=セルビア)を下し、英国選手として1936年のフレッド・ペリー以来となる77年ぶりのウィンブルドン制覇を果たした。

 息詰まる熱戦に決着をつけた英国の星は、観客とともに感情を爆発させた。ジョコビッチのリターンがネットにかかると帽子を脱ぎ捨て両手でガッツポーズ。そして、両手で顔を覆い、天を仰いだ。芝の王者フェデラー(スイス)に屈し、涙に暮れた決勝から1年。地元の期待を背負ったA・マリーがついに悲願を達成した。

 ともに26歳。ベースラインでの打ち合いが得意でサーブも強力。一つのミスが致命傷になる中、大声援を背に世界ランキング1位のジョコビッチを退けた。流れが相手に傾きかけてもことごとくドロップショットを拾うなど、最後まで足が止まることはなかった。接戦も終わってみれば3セットを連取。伝説のフレッド・ペリー以来77年ぶりの英国人王者に輝いた。

 昨夏にウィンブルドンで行われたロンドン五輪で英国選手として104年ぶりの金メダルを手にし、自信をつけた。直後の全米オープンでは4大大会で5度目の決勝進出で初制覇。「昨年の芝のシーズンからは多くのことを学んだ」。芝のセンターコートで敗れた経験をばねに一皮むけた。

 ことしは腰痛のために、全仏オープンを回避。復帰戦となった芝の前哨戦でツアー27勝目を挙げ、ウィンブルドンに照準を合わせてきた。「重圧に期待、それに緊張と熱狂がある。英国選手にとって、テニス人生の一部だ」と評したテニスの聖地で、ヘンマンら英国の先輩たちがはね返された夢をついに実現した。

 ▼A・マリーの話 去年と全然、違う。今年は優勝できてうれしい。想像を絶する厳しい試合だった。それがストレート勝ちだったなんて…。

 ◆アンディ・マリー 1987年5月15日、スコットランドのダンブレーン出身の26歳。昨年1月から元世界ランキング1位のイワン・レンドル氏(米国)の指導を受け、才能を開花させた。昨夏のロンドン五輪男子シングルスで英国選手としては104年ぶりの金メダルを獲得し、直後の全米で4大大会初優勝。兄のジェイミーもプロテニス選手。1メートル90、84キロ。

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